介護・福祉業界で働く・転職する/栄養士・管理栄養士の仕事

気軽に食事相談ができる場に 薬局栄養士

栄養相談や食品購入時にアドバイスができるスペシャリストとして、栄養士を配置した薬局やドラッグストアが増加中。今回は望星築地薬局、管理栄養士の川瀬景子さんにお話をうかがいました。

執筆者:大石 淳子


栄養相談や健康食品・サプリメントのアドバイスを行うスペシャリストとして、最近、栄養士を配置した薬局やドラッグストアが増えています。株式会社望星薬局は1991年から栄養士による相談を開設。神奈川県伊勢原市を拠点に、東京都、埼玉県、茨城県で店舗を展開しています。

生活習慣が起因する病気を改善するには、薬物治療以外にもケアが必要。また減塩食や低タンパク食などの食品を販売する上で、的確なアドバイスが求められることから、これらに対応できる栄養士を配置した取り組みを始めたそうです。そこではどのような栄養士業務を行っているのでしょうか? 今回は望星築地薬局、管理栄養士の川瀬景子さんにお話をうかがいました。

調剤薬局での栄養士業務

川瀬景子さん
望星築地薬局、管理栄養士の川瀬景子さん。栄養改善学会や薬局管理栄養士研究会で論文を発表

ガイド:
現在、どのような業務をしていますか? 仕事全般を教えてください。

川瀬景子さん:
栄養相談や病者用の食品、機能性食品などの販売と管理、食生活改善のための啓蒙活動です。栄養相談のときにお渡ししたりホームページ上で発信する資料として、旬のメニューや食品と栄養素、体調管理の情報も作成しています。調剤薬局業務としての医療事務や処方せん受付と入力、他支店へ栄養相談のために出張もします。

ガイド:
栄養相談に来られる方はどんな方が多いのですか? よくある相談はどのようなことですか?

川瀬さん:
近くの病院から処方せんをお持ちで来られる方や、近隣にお住まいの方がいらっしゃいます。
疾患がある患者さんやその家族からの相談が多いですね。糖尿病、腎疾患、高血圧といった生活習慣病の方や介護食、メタボについてのご相談は多いです。また病院にお見舞いに行く際に食品を購入してお土産にされる方もいますので、どれがその病気に適しているかと相談されることもありますよ。

ガイド:
1日にどれくらいお客様とお話をしますか? どんな要望があるのでしょうか?

川瀬さん:
相談という形であれば1日に平均して3名ほどです。特に時間制限は設けていないので、2~3分の方から1時間以上の方までさまざまです。

薬を飲む量を増やしたくないので、どんな食事をしたらいいですか? というご相談がありますね。ですので検査値や服薬状況を把握して、普段のお食事の内容をうかがい、例えばLDLコレステロールを下げる食事や血糖値を正常に保つための食事、改善点などをその方に応じて提案しています。

ガイド:
健康イベントを行っているそうですが、どのようなことをされているのですか?

川瀬さん:
月に3回ほど待合室に相談コーナーを設けて、薬剤師と管理栄養士による栄養とお薬の相談を行っています。月ごとにテーマを決めて、それに沿った資料の配布や試食を行っています。

テーマは主に生活習慣病など患者が多い疾患をピックアップしています。そこで低カロリー食品や減塩食品の試食を行い、効果的な食事のとり方をアドバイスします。

次のページでは、薬局での栄養士に必要な知識についてご紹介します!
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