シングル・DINKS向けマンション関連情報

更新日:2007年03月30日

揺れる女心 マンションを買った私の誤算

最近、女性とマンション購入を組み合わせた特集を目にします。ライフスタイルや男女の関係が従来から変化してきたことが根底にあるのでしょう。そこで、「マンションを買ったがための誤算」について考えてみます。


雑誌あるいはネット上のホームページを問わず、「女性」と「マンション購入」を組み合わせた特集を目にする機会が増えたように思います。マンションブームという流れの中、少子化や晩婚化、さらには、女性の自立といった、これまでの「ライフスタイル」あるいは「男と女の関係」が従来の枠組みから変化してきたことが根底にあるからでしょう。

シングル女性がマンションを購入すると、「結婚をあきらめたの?」などと言われてしまう現実は、まるで結婚とマイホーム取得が“二者択一”のように思われていることに他ならない証左なのでしょう。現代ならでは風潮といえそうです。そこで今回、女性の視点に立った「こんなはずでは…」=「マンションを買ったがための誤算」について考えてみたいと思います。


退職あるいは産休が取れず、子供が産めそうにない 
  ~DINKSの場合~


仕事柄、これからマイホームを買おうとしている方と接する機会が多いのですが、その顔ぶれを見ると、DINKSの割合が増えているように感じています。共働きということもあり、自己資金は潤沢。しかも、毎月の返済も余裕があることから予算7000万円~8000万円という方も珍しくありません。その上、高級志向が強いのも特徴で、いわゆる一等地とされるエリアを好む傾向があります。そして、毎週末「“高額”な家賃がもったいないので、早くマイホームを購入したい」と、真剣かつ前向きにモデルルームを見学しています。

こうした方々と話をしていると、必ず話題に出てくるのが「出産」についてです。少しでも理想に近いマンションを手に入れようと予算ぎりぎりで物件を選ぶため、返済計画はどうしても奥様の収入を当て込んでプランニングすることとなってしまいます。そのため、奥様の生活設計に制限が加えられてしまい、仕事を優先するか出産を選択するか……1つの「壁」にぶつかることになるのです。

たまたま新聞を見ていたら、「大手企業が4月から育児で休みをとる社員への支援を強化する。ソニーは月額5万円の手当を支給する制度を新設。三井物産は男性社員が有給で最大8週間の育児休業を取得できるようにするなど、育児休暇を有給化する動きが広がる」(日経新聞3月29日)といった記事がありました。とても喜ばしいことだと思います。しかし、こうした恵まれた環境にいるのは限られた人達だけでしょう。多くの方は『究極の選択』を迫られていると推測します。それだけに、マンション購入と引き換えに家族計画(出産予定)が悪影響を受けるとしたら、我に返ってみることが必要でしょう。「夢」のマイホームを「悪夢」にしてはならないのです。


部屋が狭く、子供を育てる環境が不十分  
  ~都心志向の夫婦の場合~


次に、広さの面でも出産を阻害する要因が潜んでいました。現在、「都心回帰」が叫ばれる中、広さ(専有面積)より立地を優先する風潮が強まっています。狭くても駅近の物件がもてはやされているのです。『マンションを買うなら、売りやすい・貸しやすい物件を選べ!』といったメディア情報に踊らされているかのような現象と受け取れるほどです。

もちろん、時代の流れとして間違った発想ではありません。ましてや、否定するつもりもありません。しかし、そのために「2人目の子供が欲しいけど、部屋が狭いので産めない」としたら、これは問題ではないでしょうか? 「病気あるいはリストラなどでローン返済が苦しくなったら…」「急な転勤で住み続けられなくなったら…」といった“万が一”と引き換えに、売却しやすい好立地物件を選んだ『功罪』が裏目に出ては本末転倒といわざるを得ないでしょう。「マンションを買ったがために、人生設計にしわ寄せが来る」=「マイホーム呪縛(じゅばく)」に陥っては元も子もない、というわけです。

折しも、芸能界ではバラエティー番組などでおなじみの橋下徹弁護士に7人目のお子さんが誕生することが報じられました。また、通信大手のソフトバンクでは出産祝い金を大盤振る舞い。第5子以降を産むと、そのたびに500万円を支給することを発表しています。正社員の流出を防ぐことが狙いとされていますが、少子化対策としての効果も期待は大きいでしょう。それだけに、月並みですが「ライフプラン」を加味しない物件選択とならないよう、再度、我が身を振り返ることから始めなければなりません。


「住まなくなれば貸せばいい」と思っていたけれど……  
  ~シングル女性の場合~


そして最後、「住まなくなれば貸せばいい」という発想にも異を唱えたいと思います。「賃貸(家賃)は掛け捨てになるが、分譲は自分のものになる」あるいは「家賃並みの返済でマンションが手に入る」といった“売り手の理論”に基づいたセールストークが横行したため、シングル女性のマンション購入が後押しされたのは周知の通りです。それが証拠に、住宅情報誌や女性向け雑誌をめくると、必ずといっていいほど「購入を決断してよかった」といった単身者の購入体験記が掲載されています。ご本人が満足しているのであれば、他人が口出しする余地はありません。

しかし、そのマンションを「終の棲家」と考え、一生、住み続けようと決意している人は多くないように感じます。データによる裏付けあっての発言ではありませんが、受ける印象から推測するかぎり、間違いないものと判断します。その背景には「住まなくなれば貸せばいい」という発想が潜んでおり、貸すことを想定したマンション購入は危険と隣り合わせなのです。

現在、日本の住宅環境は完全な“家余り”状態です。借り手の見つからないマンションはゴロゴロしています。もちろん、安い家賃で貸し出せれば借り手はすぐに見つかるでしょう。しかし、住宅ローンや管理費等との兼ね合いを考えれば、そうもいかないのが現実です。この時点で理想と現実に“ギャップ”が発生してしまい、ここでも「こんなはずでは……」というハメに陥るのです。

さらに追い討ちをかければ、住宅金融公庫から融資を受けている人は“賃貸に出せない”のはご存じのことと思います。公庫融資は『本人が住むための住宅に対するローン』ですので、特別な事情を除き、他人に貸すことを法律で禁止しています。該当する方は要注意といえるでしょう。

【関連サイト】公庫を利用すると、人に貸せない?


以上、否定的な内容ばかりを書き連ねてしまいましたが、いずれもマンション購入を否定する意図はありません。『リスクシナリオ』を描いてほしいという主旨です。これからマンションを買おうとしている読者は反面教師として、また、すでに分譲マンションにお住まいの人は軌道修正のきっかけにお役立ていただければと思っております。


【その他の関連サイト】夫婦離婚の危機 共有名義の呪縛
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平賀 功一

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