確定申告・住宅ローン減税

更新日:2007年08月27日

これ以上ローン金利が上がらない3つの理由

金利先高感がイメージ先行している住宅ローン金利の方向感。しかし、日米の金融当局はそろって利上げと逆方向に動いています。そこで経済指標を分析し、実態に即した独自のローン見通しをご紹介します。


これ以上、住宅ローン金利が上がらない理由とは?
3度目の利上げなるか?……8月22・23両日に開催された「金融政策決定会合」では追加利上げをめぐる市場観測が交錯し、一時は利上げが有力視される場面もありました。しかし、ふたを開けてみると再利上げは見送られ、結局、政策金利は0.5%のままを維持しました(8月27日現在)。

というのも、信用力の低い人を対象とした住宅融資「サブプライムローン」の焦げ付きによる米国・金融市場の信用不安が再燃し、同国経済が減速の様相を呈したからです。日本経済も騒動に巻き込まれてしまい、その結果、利上げに踏み込めなくなってしまったのです。市場では「8月利上げ説」が台頭していただけに、利上げに意欲的な日銀の福井総裁にとっては、いささか不本意な結末となってしまった模様です。

その福井総裁、決定会合終了後の記者会見で、サブプライム問題に端を発した米国市場の動揺について「リスク再評価の過程にあり、解決には時間がかかる」と発言しています。“ソフトランディング”は想定しつつも、一定の時間はかかるとの認識を示したのでした。どうやら、本格的な解決にはもう少し時間が必要なようです。

となると、こうした状況下、日本の住宅ローン金利は米国経済からどのような影響を受け、そして、どう変化していくのか、気にならない人はいないでしょう。そこで、改めてローン金利の方向感を確認するとともに、ローン金利がこれ以上上がらないと考える根拠(私見)について、具体的に説明していきたいと思います。

景気下振れリスクで、米国経済は利下げ観測が表面化


大きく3つの理由があると考えますが、第一の理由として米国経済の先行き見通しに暗雲が立ち込めたことが挙げられます。

前述した一連のサブプライム問題への対応策として8月17日、日本でいう日本銀行と同様の役割を持つFRB(米連邦準備制度理事会)が公定歩合を0.5%引き下げ、年5.75%としました。突然の金利変更は珍しいことで、それだけ米国が“緊急性”を要する金融環境になっていたことを裏付けています。

そして、引き下げの理由についてFRBは「成長の下方リスクが目に見えて高まったから」と説明しており、これまで「インフレ圧力の排除」(=金融引き締め)を優先事項としていた金融政策が、「金融緩和」へと変化し始めたことを示唆しました。さらに、声明文では「金融市場の混乱による経済への悪影響を和らげるため、必要に応じて行動する“用意”がある」とも発言しており、政策金利(FFレート)を引き下げる用意があることを匂(にお)わせました。サブプライム問題が一様の収縮を見せなければ、米国は利下げを断行する構えを表明したのです。

世界経済全体としては、依然、景気拡大の方向へ動いています。そのため、たとえ米国が単独で政策金利を引き下げたところで、日本への影響は限定的といえるかもしれません。しかし、『アメリカがくしゃみをすると、日本が風邪をひく』間柄であることを鑑みれば、楽観視するのは危険といえるでしょう。米国経済で利下げ観測が表面化しつつある以上、日本の金利も上昇する余地は限られると考えられます。


第二、第三の理由については、次ページでご紹介します。
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