「地方にできることは地方に!」という理念に基づき、地方分権の推進を目指して平成19年から「税源移譲」が実施されました。税源移譲とは、税源を国から地方へ移動させる財源措置のこと。税収に占める地方の割合(取り分)を高め、厳しい地方財政難を緩和させることで、地方の自立を後押し。と同時に、地方の権限と責任を拡大して裁量(自由度)を持たせることで、国と地方の格差是正を促し、三位一体改革の実現を推し量ろうというアクションのことです。
その結果、所得税および住民税の税率が変更されることとなり、所得税率はより細分化され、一方、住民税率(所得割)は一律10%になりました。急に住民税が増えた方、多かったのではないでしょうか? しかし、今回の改正では一方的な負担増を回避するため、納税者に対する“配慮”も同時になされています。税負担の増加の影響を受けた人には、確定申告することで負担増分を控除する措置が取られました。そして、この取り計らいは「住宅ローン減税」についても適用されます。
そこで今回は、現在すでに住宅ローン減税の適用を受けている人が税率改正によって所得税額が減った結果、本来、還付されるはずの減税分を受け取れなくなった際の対応(救済策)について、ご説明したいと思います。
※本コラムの内容は、平成20年2月18日~3月17日に確定申告する人を対象としています。平成18年末までの入居者が適用 19年以降は対象外
今回の救済策は、税源移譲によって減少する「住宅ローン控除」減税額を、平成19年分以降に確定申告することにより、平成20年度分以降の住民税から控除することで帳尻を合わせよう(=救済しよう)という措置です。そして、その控除対象者はもちろん、所得税額が減少することで、本来、受け取れるべき住宅ローン減税額が減少する方です。
確定申告すれば、誰もが控除されるわけではありません。住民税の住宅ローン控除の対象となる人の条件は、以下の通りです。
■住民税控除の対象となる人- 平成11年1月1日から平成18年12月31日までにマイホームに入居し、引き続き、現在も住宅ローン減税の適用期間中の人(平成19年以降の入居者は対象外)
- 平成19年分の源泉徴収票の摘要欄のうち、「住宅借入金等特別控除可能額」の部分に金額が記載されている人(給与所得者の方)
- 税源移譲によって所得税額が減ったため、その「所得税額」が「住宅ローン控除可能額」を下回った結果、控除しきれない金額が発生した人
(これまでも可能額全額は控除しきれなかったが、税源移譲によって控除しきれない額がさらに大きくなった場合も含む)
↓
(出所)総務省のホームページより転載住宅ローン控除可能額とは、「年末ローン残高×各年に該当する還付税率」により算出された金額のこと。計算上の上限値(最大値)と言い換えられます。この額が所得税額を上回ることで、本来、受け取れるべき住宅ローン減税額が減少する結果となります。税源移譲の“功罪”といえるでしょう。控除の対象となる人は平成18年末までに入居した人のみで、平成19年に入居した人は対象となりません。この点、誤解のないようご留意ください。
続いて、
次ページでは必要書類や手続き方法などをご説明します。