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女性がバーを経営? バーテンドレス

最近、女性が運営をする「バー」が増えてきました。職種名は、男性ならバーテンダー、女性は「バーテンドレス」。今回は、未経験ながら、自ら経営するバーを成功させた女性のお話。

執筆者:三輪 貴子

【バーテンドレス】上村 綾さん 大阪市内で「なごみバー ROOTS」を経営。初めて経営をしたバーは、お客さまの心をつかみ、業績も順調。2件目のバーを出す夢も近づきつつある。
話 題 度  ★★★☆☆
難 易 度  ★★☆☆☆
かかる費用 ★★★★★

最近、女性が運営をする「バー」が増えてきました。職種名は、男性ならバーテンダー、女性は「バーテンドレス」。そこで今回は、1人でバーを開店させ、「今は120%自分を楽しんでいます」とおっしゃるバーのオーナー&バーテンドレスの上村 綾さんをご紹介します。この記事では、話の具体的内容だけでなく、綾さんのお人柄を感じていただけるように、特別に「話し言葉」で、そして綾さんの言葉どおり「関西弁」で明記をさせていただきます。これは、綾さんがバーのオーナーとして成功している重要な要因の1つに、そのお人柄にあると感じるからです。関西にお住まいの方以外は、少し読みづらいかもしれませんが、彼女の言葉にこめられた意味をゆっくりと読み解いていただけると思います。それでは、未経験でありながら、自らの手でオープンさせたバーを成功へと導いた道のりをご覧ください。

失敗って誰でもあると思うんですよ ~バーオープンのキッカケと失敗談~

学生のときに居酒屋でバイトをしていたんですよ。そのときに「飲食業って楽しいな」っていう気もちがインプットされていたと思うんです。学校を卒業して「1度は社会人にならなあかんな」と思って就職。結婚後、主婦と忙しい仕事の両立が難しくなって、正社員の仕事を辞めて、パートで喫茶店と小料理屋のバイトをかけもちしたんです。やっぱり、接客の仕事がしたかったんですよね。いつかは自分の店を持ちたいな、という夢があったんですけど、結婚していたら子育てもあるし、自分の夢は追えないとあきらめていたんです。ところが、良いのか悪いのか、離婚することになってしまって。自分の想いと環境がそろってしまったんですね。運よく、親がお金を貸してくれるというので、それなら、「人生かけて、一回やってみよか」と。そして始めたのが、「なごみバー ROOTS(ルーツ)」です。

なんで接客業が好きかと言ったらね、例えば料理を出すと、お客さんが直接「おいしい」って言ってくれるじゃないですか。自分でやったことが、良いことやったんか、悪いことやったんか、その場でダイレクトに分かるって言うのが、面白いところやと思いますね。

失敗は、ほぼ毎日あるんですけど(笑)、失敗って誰でもあると思うんですよ。わざと失敗するんじゃないし。「人と人」の話やから、誠意が相手に伝わったら許してもらえるんですね。今までで一番ウケた失敗は、お客さんの前でレモンを絞っていたとき、その果汁がお客さんの目に直撃したことかな。(笑)

「お客さんに喜んでもらうために、フォークソングの練習もしたんですよ」綾さん

自分が持っている引き出しのなかで ~バーのコンセプトと満足度アップ~

多分ね、店主(オーナー)の個性によって、店を出したほうがいい場所のポイントって変わってくると思うんです。私の場合は、学生のころから、よその店で飲んでいたら、オッチャンうけがよかったんですね。そのオッチャンたちに「癒し系やな」って、よく言われて。店を始めるときにそのことを思い出して、「オッチャンの疲れを癒すバーにしよう。それなら、場所はどこがいいかな」って。そしたら「オフィス街やな」と。

メニューの値段を決めるときに役立ったのは、主婦の経験。今、景気は上向きやって聞きますけど、まだまだ、オッチャンのお小遣いは厳しいわけですよ。それでも、仕事と家の間にワンクッションおきたいという気持ちはよく分かる。じゃあ、1回の金額が高いと店は長生きできないな、と思ったんです。メニューが高い価格帯の店は、お客さんが入ったら儲かるけど、入らへんことも多い。そうなると、売り上げが安定しないんですね。安い店は、デイリーに使ってもらえるから、日々の売り上げが安定する。オープンする前に考えていた1人あたりの平均単価、売り上げ、和み系のコンセプトは、予想していた通りでしたね。だから初めはバーのオーナーとしては素人やったけど、これまで続けてこれたんやと思います。今は、一人暮らしをして、たまに美容院へいって、ちょっとお酒ものめるぐらいの収入はあります。これがもし、自分の力を過信していたり、場所選びや、自分と店のコンセプトを間違っていたりしたら、もう閉店になっていたかもしれませんね。

いつも、自分がもし客やったら、と考えるんですよ。自分が客で、これぐらいのお金を出して、これぐらいの満足度があったら、また行くやろうなって。そうしたら、あとは経費のかからないサービスで、私が付加価値をつけることができるか。私はあまり面白いことが言えないんで、その部分を何でカバーできるかと考えたんです。自分が持っている引き出しのなかで、どれが使えるかな、と一生懸命探してみたら、歌うのが好きやし、店でちょっと歌ってみようかなって。ギターで歌っているのを聴けたりしたら、ちょっと得した気分じゃないですか? そういう点で満足度を上げる努力はしていますね。
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