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DINKSが「別居婚」に傾くわけとは?

近年、別居婚という結婚スタイルを取る夫婦が散見されるようになっています。婚姻関係を維持しながら、互いに独立した生活を送るというものです。はたして、どういう理由によるものなのか、現状を探ってみました。

平賀 功一

執筆者:平賀 功一

賢いマンション暮らしガイド


DINKSが「別居婚」に傾くわけとは?
DINKS(ディンクス)とはDouble Income No Kidsの略。子供のいない共働き夫婦のことです。今では、わざわざ説明の必要がないほど、よく知られるようになりました。

実は、DINKSはマンション購入意欲も旺盛で、リクルートの「首都圏新築マンション契約者動向調査(2006年)」によると、ライフステージ別で比較した場合、全体の28%をDINKS世帯が占めるまでになっています。この数字、子供あり世帯(第一子が小学校入学前)の30.5%に次ぐ勢いで、売り手側(分譲マンション業者)からしてみれば、いい“お得意様”であることが分かります。

しかし、せっかく手に入れた夢のマイホームでの甘~い生活も、つかの間。近年、「別居婚」へと生活スタイルを変える夫婦が散見されるようになっています。別居婚とは、婚姻関係は維持したまま生活の拠点を夫婦で異にする結婚形態のこと。理由として、これまでは「会社都合による単身赴任」「親の介護を優先」、あるいは「夫(妻)の不貞行為」「家庭内暴力」等々、ネガティブ(後ろ向き)な原因をきっかけとしたものでした。

ところが、今日ではポジティブ(前向き)に別居婚を選択する夫婦も登場するようになっており、改めて、結婚観の多様化が進んでいることを裏付けます。はたして、DINKSが別居婚を志向する理由とは何なのか?……今回は、結婚観にまつわる子供のいない共働き夫婦の深層心理を探ってみることにします。

「帰省ブルー」が夫婦間のきれつを大きくする(?)


読者の皆さんは「帰省ブルー」という言葉をご存じでしょうか? 別名「Uターンブルー」とも呼ばれ、ご主人が奥さんの実家へ、あるいは奥さんがご主人の実家へと帰省することを嫌がる心理のことを指します。たとえば結婚当初、奥さんの立場からしてみると、義理のお父さんやお母さんに好かれたいと思い、ご主人の実家へ帰省した際は色々と気を使い、神経をすり減らすものです。“いい嫁”を演じようと、一生懸命に振る舞うわけです。

しかし、こうした気遣いをお盆と正月に毎回しなければならないと思うと、それだけで「憂鬱(ゆううつ)」=「ブルー」になるのは当然のことです。そのため、段々とこうした気疲れを避けたいと思うようになり、最終的には、ご主人1人で帰省してもらうことを望むようになる……これが、帰省ブルーの発生メカニズムです。

そして、この帰省ブルー、子供がいない夫婦に多く発症するといわれています。というのも、孫の顔が早く見たい(将来の)おじいちゃん・おばあちゃんにとっては、気になるのがお嫁さんの出産の時期。そのせいか、帰省するたびに「子供はまだ?」と聞かれるそうで、こうしたプレッシャーがストレスとなり、帰省ブルーへと発展します。中には、夫婦間の亀裂につながるケースもあるそうで、大変、気の毒に感じられます。

しかし現実問題、DINKSにとって正社員で働く奥さんの出産は容易ではありません。仕事を取るか、家庭(出産・子育て)を取るか?……判断を下すのは困難を極めます。にもかかわらず外圧(期待)がかかることで、事態はさらなる窮地へと突入。こうした“ジレンマ”からの逃避をもくろみ、DINKSは別居婚という選択肢を自ら選ぶようになります。

 
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