女性の転職/女性の再就職・職場復帰

”10年後の自分”シンドローム

「5年後、10年後の自分を描きなさい」と言われても、「そんな遠い将来の自分のことなんてわからない」と苦しむミセスたち。では、もっと近い将来、まずは来年のことから考えてみませんか?

執筆者:川崎 あゆみ

ペンと手帳
「10年後の自分なんて、遠すぎて想像がつかない」と嘆く必要なんてありません。
再就職講座やセミナーに参加したり、自己啓発本を読んだりすると必ずと言ってよいほど、「5年後、10年後の自分、描けていますか?」と聞かれます。でも、女性の場合、状況や環境に左右されることが多々あって、「とてもじゃないけどそんな先のことまで考えられない」というのが本音では?

実は、この1年間多くの再就職セミナーや講座に顔を出して、ミセスの方々と直接お話をするうちに、「10年後の自分が描けない」と苦しい思いをしている女性がたくさんいることに気づき始めました。

“5年後、10年後の自分の姿、描けていますか?”の恐怖


「10年後について考えろ」といわれても、ミセスたちは、「子供が今10歳だから、10年後には20歳。そして私は、その頃にはもう50歳。あ~あ」と、ため息が。ただでさえ、「エイジング」に真っ向勝負していかなければならない年代に、将来のことと言ってもそれはさらに年齢が進んだ自分の姿にほかなりません。

最近、この「5年後、10年後の自分を描いて行動しよう」ということに、疑問を持つ人が出てきました。

カリスマキャリアカウンセラーと言われる小島貴子さんは、「“この人と結婚する”決めてから、お付き合いを始めるなんてことは、ありえないでしょう?」と、また、転職コンサルタントの錦戸かおりさんも、「いきなり遠い将来について考えにくければ、3歩先を考えるで、いいじゃない?」とおっしゃっています。

先に大きな目標を立てて、それに向かっていくのも良いですが、「まだやりたいことがわからない」という方は、焦るよりも、小さな目標に向かって、自分が持っている興味やできることを小さく積み重ねていけばいいということでしょうか。なんだか、少しホっとしますね。 では、私たちは、自分たちの将来をどのように考えていけばよいでしょう。

時を刻む
ミセスも、もっと自由に自分の将来を描いてもいいのかも。  

偶然を計画する?!

耳にされたことがあるかもしれませんが、キャリア用語に「プランド・ハプンスタンス(Planned Happenstance:計画された偶然 byクルンボルツ、1999)」という言葉があります。一瞬、どういうことか考え込んでしまいますが、 平たく言うと、「自分でチャンスを作り出していく」ということ、後から振り返ったら、「やってきたことは、結局ここにつながっていたね」という意味合いだと私は、とらえています。

偶然を作り出すのに必要なものとして、
1.好奇心・・・新しく学ぶ機会を探してみる
2.持続性・・・失敗に負けない!努力し続ける
3.柔軟性・・・普段の生活に対する姿勢や、自分を取り巻く状況を変えてみる
4.楽観性・・・チャンスは、私にやってくる!と信じる
5.冒険心・・・結果はどうなるかわからないけど、とりあえずやってみよう!という気持ちを持つ

が挙げられています。自分のやりたい仕事に巡りあったとき、つまりチャンスが来たときに、「つかめる状態になっているか」は、自分がどう準備してきたのか、どう過ごしてきたのかにかかっていると言ってもいいかもしれませんね。

結局のところ「将来は、1日1日の積み重ね」。自分の子供のことで精一杯で、あっと言う間に時間が経っていくのは、よくわかりますが、5年後、10年後の自分と言われて、その姿が描けないのは、現在の自分をとらえることができていないからではないでしょうか。

まず、来年を描くことから始めてみませんか?自分は、今、何をしたいのかについて考えてみましょう。

指きり
来年の予定は、別に実行できなくてもいいものではなくて、「自分との約束」。

2006年をどんな1年にするかを自分でデザイン

来年こそ、実行するぞ!という目標のようなものがありますか?それは、ここ何年も言い続けていることではありませんか?英語を勉強する、資格を取る、仕事を探す・・・・・・。人によっていろいろ目標はあると思いますが、来年こそ実行するために、今から英語のテキストを買う、資格取得のための学校探しをする、資格試験に申し込む、資料を取り寄せる、履歴書を買ってくる、ハローワークに登録に行ってみるなど、実際にする行動を思い浮かべます。

5年後、10年後ではなくて来年の話なら、描けますね。夢や希望は自然と大きく膨らんでいくと思います。どうぞ、遠い将来が描けないと言って、嘆かないで。その代わり、来年の自分をきっちりイメージして、実行しましょうね。それは、ほかの誰でもない自分との約束です。



毎日、丁寧にスキンケアをすることが、40代後半や50歳になっても美しいお肌を保てる秘訣。というのと同じように、毎日毎日、何かを積み重ねることが、自分の将来へとつながっているイメージを持つことが大事なのではないでしょうか。

数年間のロンドンでの話ですが、80歳を過ぎた女性が、大学に入り2年間学んだ後(選択科目は、失念しましたが)、卒業されました。その時のコメントに「学んだ知識を生かして、地域の人々に役立てる仕事がしたい」とあったのを覚えています。80歳から将来を語るおばあちゃん、かっこいい!と震えるほど感動したのを覚えています。

私たちも5年後、10年後の自分を楽しみにしたい。ミセスの私たちも、もっと自分の将来について語りませんか?私も、来年実行したいこと決めました!何かは、誰にもまだ内緒ですけど(笑)
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