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| ゼロ金利政策「復活」へのカウントダウンが始まる |
日本銀行は10月31日、同日に開催した金融政策決定会合で政策金利の誘導目標を0.2%引き下げ、現行の0.5%前後から0.3%前後にすることを決めました。
周知の通り、欧米の「金融危機」に端を発する国際金融市場の混乱・動揺は日本の実体経済にまで広がっており、上場企業の経営破たんや業績の下方修正につながっています。そのため、金融市場の安定を確保することが求められる日銀は、ついに“伝家の宝刀”を抜かざるを得なくなりました。
2001年2月に「ゼロ金利政策」を再導入してから7年8カ月、再び、日本の金融政策は『引き締め』から『緩和』へと、その政策スタンスを転換させることとなったわけです。これにより、株式市場は改善方向の様子ですが、他方、金融緩和によって日本の住宅市場は回復へ向かうのでしょうか?—— 今回は想定される影響を考察してみたいと思います。
現在の景気停滞は一年程度先まで続く 日銀展望レポート
まず初めに、足元の経済状況を再確認しておきましょう。日本銀行が発表した「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)によると、「わが国経済は、既往のエネルギー・原材料価格高の影響や輸出の頭打ちなどから停滞色が強まっている」との基本的見解が述べられました。そして、「先行き2008年度後半から2010年度を展望すると、2009年度半ば頃までは停滞色が強い状態が続くと見込まれる」としています。つまり、
一年程度先まで、現状の経済・物価情勢が続くとの見方が示されました。今回、日銀の白川総裁は利下げに至った背景について、記者会見で「株価下落や円高など金融市場自体が、(前回の決定会合から)この1カ月弱の間に大きく変化した」との認識を示しました。「実体経済を見ても、設備・輸出・生産などが従来に比べて明らかに変化を示す材料が出てきた」とし、だからこそ「現在のような経済情勢のもとで金融市場が安定し、機能するという状況を維持することが非常に大事」と強調しています。
そして、今回の利下げは「経済・金融情勢の変化に対応して金融の緩和状態を確保していくためには適当」と、決断に至った経緯を説明。当面、景気の下振れリスクに注意を払いながら、適切な金融調節を行うことで金融市場の安定確保に万全を期していく方針を打ち出しています。
世界同時「金利安」の時代へと突入する
実は、こうした利下げは日本国内だけの話ではなく、現在、全世界的な傾向になっています。急激な株価下落を受け、主要国の中央銀行が協調して政策金利の利下げ(協調利下げ)に踏み切っているのです。
10月8日、欧米の中央銀行6行が協調利下げを行いました。さらに、翌9日と27日には隣国の韓国銀行も政策金利を両日で合わせて1.25%引き下げており、アジア圏にまで利下げ圧力が広がっています。加えて、南半球のオーストラリアまでもが3カ月連続での利下げを実施。この時、日本は他国に歩調を合わせる(=利下げする)ことはしませんでしたが、その後の急激な環境変化(悪化)に対処すべく、今回、利下げを断行する運びとなりました。
しかし、前述したように国内の景気停滞は一年程度先まで続くとの見通しが示され、先行きに関する不確実性は著しく高まっています。そのため、(国内外を問わず)さらなる追加利下げが求められる可能性も排除できず、
「世界同時金利安時代」が定着することを否定できなくなっています。
(参考)日本の金融政策の変遷
(出所)日本銀行 ※政策金利=無担保コール翌日物金利