税率3%アップしても、4000万円のマンションは4060万円
前ページで、消費税の課税対象となるのは「建物部分」だけであることをご説明しましたが、ということは、仮に消費税率が3%引き上げられても、販売価格がそのまま3%相当分、値上げされるわけではない —— ことがお分かりいただけると思います。具体例で見てみましょう。
消費税率5% 新築マンション価格4,000万円(消費税100万円)の場合土地価格:1,900万円
非課税建物価格:2,000万円 消費税 2,000万×5%=
100万円販売価格:1,900万+2,000万+100万=
4,000万円もし、消費税率が5% → 8%へと3%引き上げられたら……土地価格:1,900万円
非課税建物価格:2,000万円 消費税 2,000万×8%=
160万円販売価格:1,900万+2,000万+160万=
4,060万円販売価格全体(建物価格+土地価格)に対して課税されると思っていた人は、もし、消費税率が3%引き上げられた場合、120万円(販売価格4000万円×3%)高くなると考えてしまいがちです。しかし、上例のように実際は60万円(建物価格2000万円×3%)の値上げで済む計算になります。今後、来るであろう「税率アップ」に対し、いく分、気持ちが和らいだことでしょう。
消費税額を0.05で割ると、マンションの建物価格が分かる
そこで、今後、重要になるのがマンション価格に占める「建物価格」と「土地価格」の割合です。繰り返しますが、消費税の課税対象となるのは「建物部分」のみ。よって、土地の価格割合が大きくなればなるほど、建物の価格割合が小さくなればなるほど、消費税率が引き上げられても販売価格への影響(値上げ)は少なくて済むことになります。
実は、この「建物」と「土地」の割合、誰でも簡単に計算できます。1つの例でご説明しましょう。たとえば、販売価格4000万円(うち消費税100万円)の新築マンションがあるとすると、
消費税額100万円÷0.05(=5%)=2,000万円この2000万円が建物価格、差し引き1900万円(販売価格4000万円-建物価格2000万円-消費税100万円)が土地価格となります。「建物価格×消費税率=消費税額」という等式を逆利用した計算方法です。そのため、たとえば同じ販売価格4000万円でも、含まれる消費税額が120万円となると、
建物価格:消費税額120万円÷0.05=
2,400万円 土地価格:販売価格4,000万円-建物価格2,400万円-消費税120万円=
1,480万円 となります。一戸建て住宅とは異なり、分譲マンションは一般的に「土地価格」より「建物価格」が高くなります。「限られた敷地面積の上に、上空に向かって居住空間を設けているから」というのが、その理由です。要は、土地の高度利用がなされているわけです。
販売価格はどちらも4000万円だけど……
そのため、皮肉にも消費税率が引き上げられると、その分、販売価格にも転嫁(値上げ)されやすい性質を持つことになります。この点、マンション特性と割り切るしかないでしょう。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆内閣府が11月17日に発表した7~9月期のGDP(国内総生産)速報値は、前期比マイナス0.1%(年率換算マイナス0.4%)となり、2四半期連続のマイナス成長となりました。この数値、国内景気が「後退局面」に入ったことを裏付ける結果とっています。
自民党の柳沢氏は11月16日のテレビ番組で、将来の消費税率の引き上げについて「3%ぐらいの名目成長率がコンセンサスだ。そういう経済が実現された後にお願いしたい」と説明しています。つまり、「潜在成長率2%+物価上昇率1%=3%ぐらいの名目成長率が実現した暁(あかつき)に、消費税引き上げをお願いしたい」とのことです。
この発言を裏読みすると、「マイナス成長が続く限り、消費税の引き上げは難しい」とも解釈できます。はたして、3年後に消費税を引き上げられるのか?—— 引き上げても腰折れしない明るい世の中に、3年後、なっていることを、個人的には願いたいと思う今日この頃です。
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