文章:西村 吉郎(All About「転職のノウハウ」旧ガイド)
このところ、賃金の上昇幅はかなり抑えられています。そのシブチンぶりは年齢が上がるほど顕著で、生涯賃金を計算すると、10年前よりも下がってしまっていることは、前回触れたとおりです。
それはともかくとして、賃金が上がらないのであれば上がらないなりの、ライフプランやキャリアプランを考えなければなりません。そこで今回は、職種ごとに見た賃金の上がり具合を検証することにしましょう。基にしたデータは、前回と同じく「賃金構造基本統計調査-平成15年版」です。
支給額のピークは男子で45~49歳、女子で35~39歳
年功賃金の崩壊が現実のものとして取り沙汰され始めたのは、70年代初頭ことです。そのころから、年齢が高くなるにつれて賃金が直線的に上昇するという現象は見られなくなり、40歳を過ぎると伸びは鈍化し始め、50歳代後半から次第に下降線をたどるようになりました。その傾向は現在まで続いています。労働者の平均賃金の増加率をグラフ化した次のデータをみれば、状況はご理解いただけるでしょう。

これによると、支給額のピークは、男性で45~49歳(所定内給与平均では50~54歳と同水準ですが、賞与の年間支給額から判定しました)、女性では35~39歳となっています。この時期を境に、年収は横ばいもしくは下降線をたどることになりますので、そのことを想定したライフプランを準備しておく必要があります。
具体的に、男子労働者の賃金を10年単位で見た場合、20~24歳の平均賃金に対する30~34歳の平均賃金では44.3%、30~34歳の平均賃金に対する40~44歳の平均賃金はで33%、40~44歳の平均賃金に対する50~54歳の平均賃金では6.5%となっています。
男女同一賃金の原則からすれば、格差が大き過ぎる気もしますが、賃金決定の要素には、一部とはいえ年功や勤続年数を加味する部分も残っているため、出産や育児のために一時仕事から離れることが多い女性では、勤続年数などの面で、平均をとると低く出る傾向があります。後掲の「職種別賃金増加率」に関する男女別データは労働者平均であり、必ずしも同じ会社にずっと勤務を続けた人の賃金増加率ではありません。女性についてはとくに、勤続年数が影響している面があることを前提に、ご参照ください。