 |
| 中古マンションの「売り時」はいつか? |
2009年はマンション「買い時」の再来 —— 今春、こうした表現を目にする機会が増えました。価格調整による値引き販売期待や延長・拡充された住宅税制、また、新年度(09年4月以降)からは日米を問わず景気刺激策が本格的に動き出すことによる景気回復期待も加わって、これからマンションを買おうという人の消費行動には、前向きさが見られるようになった気がします。「供給サイド」「需要サイド」どちらからも、過度の悲観論が後退した格好です。
しかし逆に、これからマイホームを売却しようとする人にとっては、2009年、「好機」といえるのか判断に迷うところです。3月24日に公表された2009年公示地価は、全国平均で再び下落に転じました。「ミニバブル」とも呼ばれた地価上昇シナリオは完全に崩壊してしまいました。調査元の国土交通省では、その原因を「景気の悪化や新規分譲マンションの販売不振、さらに投資や融資等の資金調達環境の悪化等を背景に、土地に対する需要が減退した」と概括しており、買い手不在により、現在、不動産市場の需給バランスが不均衡な状態であることを指摘しています。
地価が下がるということは、売却価格にも下押し圧力が加わることを意味します。マイホームの買い手には有利である半面、売り手にはむしろ不利に作用しかねないのが地価の下落です。それだけに、より「売り出すタイミング」が重要になってくるでしょう。その参考となるよう、今回は中古マンションにかかわる様々なデータをご紹介します。
2008年半ばをピークに、中古マンション価格は下落方向へ
やはり、誰もが気になるのが売却価格でしょう。まずは、実際にいくらで売れたのか、成約価格から見ていきましょう。【図1】は、東京と首都圏(1都3県)別の中古マンション成約価格の推移です。
90年代からの「失われた10年」を経て、ようやくわが国の地価は底入れし、首都圏では中古マンション価格が値上がっていきました。東京と首都圏平均の各推移がきれいな平行線をたどっているのは興味深いところです。中古マンション価格は新築マンション価格を“後追い”する形で変動する性質を持っています。「タワーマンションブーム」に扇動されて新築マンション価格が上昇していったのに刺激され、中古マンションも成約価格を引き上げていきました。
【図1】 東京・首都圏平均別 中古マンション成約価格の推移
(出所)東日本不動産流通機構 (単位:万円)しかし、その勢いも2008年半ばまででした。東京では3391万円(08年1月)、首都圏平均では2669万円(08年5月)まで上昇した中古マンション価格は、翌月から一転、下落方向へと軌道を下方修正したのでした。2009年2月現在、東京で3107万円(△284万円)、首都圏平均では2530万円(△139万円)まで下落しています。
前述したように、新築マンション価格は価格調整による値下げ圧力が台頭しているだけに、新築マンション価格が下値を追うなか、中古マンションだけが値上がることは考えにくいといえます。