文章:西村 吉郎(All About「転職のノウハウ」旧ガイド)
メルマガですでにお伝えしたとおり、「教育訓練給付制度の改革案」が進められていますが、そのほかにも、「雇用保険制度の改革」「健康保険の継続療養給付制度の廃止」などが本決まりまたは準備中となっています。これまでに判明した(というよりも、私が調べられた)範囲で、その内容をお伝えします。
雇用保険による給付制度の一つとして、教育訓練給付制度がありますが、内容は大く変わることになりそうです。具体的には、支給率の上限が80%から40%に、支給額の上限額も30万円から20万円にそれぞれ引き下げられます。
その代わり、受給するための資格要件は若干緩和されます。現行では、雇用保険に継続して5年以上加入している(中断期間があっても通算できる)人でなければ利用できませんが、改正後は、加入期間3年以上で利用できるようになるということです。ただ、加入期間3年以上5年未満の人は、支給率が20%、支給額は10万円までです。
この改正と並行して、厚生労働省は、支給対象となる講座の見直しも進めています。初級英会話などの職業との関連が薄い趣味的・教養的な講座を対象から外し、大学・大学院が開講し、転職や再就職により役立つIT、金融関係、社会福祉関係などの講座を増やす見通しです。対象講座の数は、大幅に減少することが予想されています。
なお、改正実施時期は2003年5月1日の予定となっています。前回の改定では、改正法施行前日までは、改正前の制度が適用されました。このことからすると、4月末日までは旧制度が適用されると考えられます。また、受講開始日がポイントになりますので、利用を考えている人は、改正前に開講する(通信教育の場合は教材が発送される)講座に申し込みするのがよさそうです。
| 項目 | 現行 | 改正案 |
| 給付率 | 80% | 40% (20%) |
| 給付限度額 | 30万円 | 20万円 (10万円) |
| 資格要件 | 加入期間5年以上 | 加入期間3年以上 |
()内は加入期間3年以上5年未満の場合
会社を退職した時点で、健康保険は使えなくなりますが、退職前から治療を続けている病気やケガについては、それまでの健康保険の適用を受けられという制度が、継続療養給付制度です。国民健康保険に加入し直すと、本人の場合でも治療費の3割を自己負担しなければなりませんが、この継続療養給付制度を利用すれば、それまでと同様2割の負担で済むということで、病気がちの人には重宝されていたのですが、03年3月いっぱいで廃止されます。
4月1日からは、政府管掌の健康保険、組合健康保険でも本人負担が3割となって、これらの保険の任意継続被保険者となった場合や、国民健康保険に入り直した場合と、変わりがなくなることによる措置のようです。
人材派遣法は、対象業務や派遣期間を緩和する方向で何度か改正されていますが、今回の改正案でもその方向が打ち出されています。2003年度中に実施の方針です。
主な改正点
・現在は派遣が禁止されている「モノの製造」について、派遣期間を最長1年に限定して認める
・営業、販売など業務に関する派遣期間を最長1年から最長3年に緩和する
・専門性の高い適用対象26業務の派遣期間を原則撤廃する