転職のノウハウ/転職活動の面接対策

圧迫面接と上手なかわし方(2ページ目)

新卒ではしばしば行われる「圧迫面接」。中途採用でも、ときとしてこの圧迫面接が行われることもありえます。質問の仕方に仕掛けられているトラップを見抜き、上手にすり抜ける対策術を考えてみましょう。

執筆者:西村 吉郎

こんな説明にオタオタしたり、尻込みするような姿勢を見せてはいけません。むしろ、「残業もいとわず頑張る」など、やる気を見せるチャンス。「ちょうどクルマを買い換えようかとも思ってもいますから、時間外手当分でローンが組めそうですね」などと、残業や休日出勤を逆手に取るくらいの胆力を示してやりましょう。


事務の仕事なんて1日中座ってばかりでつまらないですよ。あなたみたいな外向的な人には、営業が合っていると思う。営業の仕事は嫌いですか

ここでの落とし穴は、希望する職種に一貫性があるかどうか、です。仕事に対する志望動機があいまいだったり、就社意識がミエミエだと、このような質問が出ることがあります。こういわれて、「営業で採用してもらえるならそれでもいい」というように、結局、どんな仕事だっていいんじゃないかと受け止められるような答え方をしたのでは、最悪の印象を持たれてしまうことになります。ここはどうあっても、希望の仕事以外は考えていないということをはっきり答えるべきです。

ただ、会社によっては、入社後の人事ローテーションを想定して、希望する仕事とは別の仕事に回されたときにどう出るかを前もってつかんでおこうとの意図で、希望職種以外の仕事を打診することもあります。志望動機を再確認しようとしているのか、それとも柔軟性を見ようとしているのか、質問の意図を汲み取って対応する必要があるといえるでしょう。


趣味はスポーツ観戦と読書ですか。平凡ですね。まったく個性が感じられない

仕事とは直接関係のないところで、人格を否定するような言い方がなされたら、それは完全に挑発してきたと考えるべきでしょう。

ほかにも、履歴書を前に「汚い字だなあ。小学生以下だね」といわれたという人もいます。これらの挑発に単純にムカッ腹を立てたのでは、忍耐力のない人という評価になっても仕方がないでしょう。中には、多少は強い口調で反論してくるくらいの気骨を見せる人がいいという人事担当者もいますが、こういった例はまれで、大方は、何事にも冷静に対処できるかを見ようとしていますから、ここは応戦を避け、ソフトに対応するべきです。

汚い字だなあといわれたケースなら、「親譲りなもので。最近は、ワープロが普及して助かってます」というようにさりげなくかわすとか、あるいは、「それでも精一杯、気持ちを込めて書いたんです」などと、逆に、誠実に応募していることを念押しするような巻き返しを見せるとクリアできることになります。

*    *    *

人事担当者の質問に圧迫感を感じるかどうかは応募者の側の個人差もあるようですが、人事担当者にも、終始ソフトに対応する人がいる一方で、人の話をうまく引き出すことができずに、無意識のうちに圧迫面接のようになってしまう人がいるようです。前者の場合、質問の仕方が急変しますので、圧迫を仕掛けてきたことはすぐにわかりますが、後者の場合、初めから終わりまで押されっぱなしで、ろくに話もできないまま面接が終わってしまうということになってしまいがちです。

果たして、どんな人が面接に応じてくれるのか、フタを開けてみるまではわかりませんが、どんなに厳しい面接になっても、取って食われるわけでなし。ときには開き直って臨むことも必要かもしれません。
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