2009年は「200年住宅」元年
2009年は200年住宅元年 —— 6月4日に長期優良住宅普及促進法が施行されたことで、わが国も欧米に“右へならえ”とばかりに「ストック重視社会」へと本格突入することになりました。ストック重視社会とは、「いいものをつくり、長く大切に使っていく」という思想に基づいて建築された住宅が蓄積された社会のことです。
「使えなくなったら捨ててしまえばいい」といった耐久消費財的な扱いからは脱却し、長期間にわたって使用可能な良質な住宅ストックを普及させていこうというのが長期優良住宅普及促進法の狙いです。一戸建て住宅に比べ、まだまだマンション(共同住宅)の普及度は低いのですが(下表参照)、時代のニーズは確実に高まっています。時間をかけ、ゆっくりと定着させていけばいいでしょう。
長期優良住宅の認定件数の推移 (単位:戸)
また、同じく、重要な法律が施行されたという意味では、住宅瑕疵担保履行確保法の存在を忘れるわけにはいきません。住宅瑕疵担保履行確保法とは、マンションの売り主が負う瑕疵担保責任をきちんと果たせるよう、売り主に資力の確保を義務付けた法律です。ここでいう「資力の確保」とは、「責任保険への加入」または「保証金の供託」のことを指します。
耐震偽装事件を思い出してみてください。欠陥住宅を販売したヒューザーには売り主としての瑕疵担保責任がありましたが、被害(補償)額が莫大な金額になってしまい、ヒューザー1社では担保責任をまっとうするができませんでした。被害者を救済するだけの資金力がなければ、所詮、瑕疵担保責任は“絵に描いた餅”も同然だったわけです。
そこで、保険や供託という仕組みを利用して住宅業界全体で下支えしようと制度化したのが住宅瑕疵担保履行確保法です。2009年10月1日以降に引き渡されたすべての新築住宅に同法は適用されます。知らないでは済まされませんので、ご存じなかった人は勉強しておくようにしましょう。
管理会社の社員が管理費など約8000万円を横領
その他、「7月危機」やら「12月危機」やらと、大幅なボーナス減を契機に住宅ローンの返済が行き詰る人が多発しました。2009年の冬のボーナスは前期比15%程度の減少だそうで、50万円だった人は37万5000円に減った計算です。その結果、抵当権の実行により強制売却を余儀なくされるケースが後を絶たず、競売によって「住宅ローン難民」が続出しました。
「借りたものは返さなければならない」「しかし、返すだけの余力がない」—。実に悩ましい問題です。お心当たりの人は融資元の金融機関へ、早めに相談に行くことをお勧めします。
そして最後、管理会社の担当者(フロントマン)や管理人がマンションの管理費や修繕積立金を横領・着服する事件も各地で散見されました。たとえば2008年3月、沖縄県では管理会社の社員が2000年~08年までの8年間に、担当する県内19の管理組合で合計約8000万円を横領していたことが判明しました。また、静岡県では県内のマンションで会計担当をしていた理事が修繕積立金を横領したとして起訴。09年5月、その初公判で横領金額が総額で1億3690万円に達していたことが分かりました。こうした背景には、長引く不況の影響もあると聞きます。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇一体、2010年はどのような年になるのでしょうか?—— 総じて明るい話題は少ない印象ですが、私、ガイドは過度に悲観せず、されど楽観もせず、現実を見据えて過ごしていきたいと考えます。
【2009年 ガイドが選ぶマンション業界10大ニュース】- 終わりの見えない不動産業者の経営破綻劇
- 一世を風靡(ふうび)したアウトレットマンションの台頭
- 政権交代により生活者に比重が置かれた住宅政策
- 先細る新設住宅着工戸数や新規分譲マンション供給戸数
- 長期優良住宅普及促進法が施行(6月4日)
- 住宅瑕疵担保履行確保法が施行(10月1日)
- 延長・拡充された住宅ローン減税
- 住宅ローン返済に赤信号 困窮者が続出
- 多発する管理会社などによる管理費・修繕積立金の横領や流用事件
- 詐欺罪に問われているヒューザーの小嶋進 元社長に懲役3年、執行猶予5年の控訴審判決が言い渡される。