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激増する社会人学生 学歴大改造!今こそ大学へ。

大学院修士課程在学の社会人学生数が全学生数の1割を超えた。しかも仕事と学業を両立している人が多いという。なぜ今『社会人学生』なのか?大学及び社会人の現状を考える。

西島 美保

執筆者:西島 美保

社会人の学びガイド

「毎日そそくさ帰るあいつ、飲みにも来なくなったし、なんかあやしいな」
実はあなたの同僚が社会人学生だったりして。

平成12年度文部科学省統計情報によると、大学院修士課程において計約14万人の学生のうち、社会人学生が1万5千人と、ついに社会人学生数が全学生数の約1割を超えました。

社会人学生増加の背景には、社会人に広く門戸を開く大学や大学院が増えたことがあげられます。専門知識を持つ実践力が企業でも求められているという状況や、少子高齢化が進み、大学も一般受験者だけを対象にしていたのでは、経営が成り立たないなどの背景から、必然的に社会人に目を向け始めました。
大学側は意欲ある社会人を受け入れるため、一般受験とは別に『社会人特別入試』といった枠を新たに設け、小論文や面接を重視するなど、特別に便宜をはかっています。また社会人学生の通学の便を考慮し、都心付近にサテライトキャンパスを設けたり、授業の昼夜開講制を採用する大学が増えるなど、環境が整い始めています。

また社会人側からすれば、いつリストラされるともわからないこのご時世、大学で専門知識や新しい知識を得て将来に備えるのはもちろんのこと、人脈作りや生活への刺激など、自分を変える機会になるのは言うまでもありません。また何らかの都合で大学進学を諦めた人、希望の大学に行けなかった人にとっては、学歴を変えるチャンスともなり得ますよね。

一番のネックは仕事と大学の両立となるわけですが、実際私も最初は不安を抱えながら恐る恐る始め、それでも『社会人大学生』という響きに一人でうっとりし、いつのまにか両立が楽しくなっていたものでした。たいていは学費も自分持ちということになりますし、忙しい時間を縫っての両立だから、当然勉強にも身が入ります。結果的に思いがけない新しい自分を新発見するといっても過言ではありません。もちろん実際に仕事に直接結びつくかは、本人の仕事と専攻次第なので、大学選びは慎重に行わなければなりませんが。

何事にも不安はつきもの。実際社会人学生になってみると、案外新鮮でおもしろいですよ。一度社会人学生を味わった人の中には、勉強の魅力にはまってしまう人も少なくなく、さらに上の大学を目指したり、違う分野での学位取得を目指すなど、社会人学生生活を続ける人が圧倒的に多いのです。大学での勉強を生かし、転職したり起業したりする人も当然います。

社会人が大学に通うのはもう珍しくない時代、あなたの同僚が、上司が、部下が、社会人学生として専門知識の増強を図ったり、人脈を広げたりと確実にスキルアップしてます。あなたも思い切って社会人学生の世界に足を踏み入れて、新しい自分に出会ってみてはいかがでしょうか。

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