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博士と就職、どちらを選ぶべきか?

現在大学院修士課程2年の20代男性が、既に内定している企業に就職すべきか、それとも博士課程に進学するかで悩む。修士と博士の就職率をキーに検討する。

西島 美保

執筆者:西島 美保

社会人の学びガイド

大学院修士課程2年在学、就職か、博士号か?

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進学や就職など大きな決断の時は誰でも悩むもの

【読者からの相談】(大学院修士課程2年、20代男性)

私は現在大学院修士課程2年で進路に迷っています。既に就職活動を終え、企業に内定が決まっており、就職し働きたいと思っているのですが、博士号にも最近魅力を感じて進学の道も考えるようになりました。私としては内定を辞退するのはもったいないと思い、しばらく大学院から離れ社会人入学や、通信制大学院で博士号を習得するのも良いと思っています。私のこの進路について何かよいアドバイスが頂けると幸いです。


博士の就職率は57%!5年前から横ばい


まず現実として知っておかなければならないこととして、博士課程卒業者の就職難が挙げられる。文部科学省平成18年度学校基本調査によれば、昨年博士課程を卒業者した人の就職率は57%という低い数値で、2人に一人強しか就職できていない。また就職出来なかった、あるいは何らかの事情で一時的に職に就いた人が5%、死亡・不詳・その他を合わせると35%もの人が就職できていない。
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就職者を産業別に見ると、教育・学習支援業がトップ、次いで医療福祉、製造業と続いている。博士課程の人が多く希望する教育分野の受け皿は少なく、教育・学習支援業に就けるのはわずか3割。専門知識が深まるほど、その知識を活かせる選択肢に就職希望者が殺到し、結果、博士の就職難につながってしまっている。

ちなみに2001年の同調査では就職率は56.6%で、なんと5年たった今でも就職率の低さはほとんど改善されておらず、毎年就職できない博士課程卒業者が多く生み出され、政府の早急な対策が必要な分野と言える。


「修士課程卒業者は進学よりも就職を選ぶ傾向」「修士課程の方が選択肢が広い」「結論」→次のページへ
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