文章:辻 雅之(All About「よくわかる政治」旧ガイド)
[記事執筆日/2008.8.18]
新テロ対策特措法延長に消極的な公明党
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| 公明党本部。 |
福田改造内閣の組閣時から自民・公明両党のぎくしゃくぶりが表面化してきています。特に公明党は、自民執行部が考える来年の衆院解散には反対、早期解散を求めてきています。
理由は3つあります。1つは、来年7月に行われる予定の東京都議選に全力投球したいという公明党の思惑です。公明党や、その強力な支持基盤である創価学会にとって、大事なのは国政より、実は地方の政治だったりする面もあります。地方政治を通じて、公明党が勢力を伸ばしてきた歴史があるからです。
しかし、昨年の参院選では東京都選挙区で票がうまく伸びす2位。神奈川県選挙区ではよもやの次点になってしまう状況(その後、当選議員の辞職により公明候補がくりあがり当選)。そんな公明党・創価学会としては、来夏の東京都議選での勢力維持に全力を傾けたい。そのために、できるだけ年内に衆院選を終えておきたい、ということです。
2つめは、1年限りの時限立法である新テロ対策特別措置法(インド洋への自衛隊派遣)への姿勢です。もともと自衛隊の海外派遣に積極的ではない創価学会は、新テロ対策特別措置法を「衆院再可決」してまでやりたくないと思っており、公明幹部もその意を受けているといわれています。
そのため、新テロ対策特別措置法の延長問題が大きくなる前に解散・総選挙を行ってしまいたいという考えが支配的なようです。
「矢野喚問問題」に揺れる公明党
そしてさらに公明党が早期解散を主張する背景としてあるのが、「矢野喚問問題」です。
元公明党委員長の矢野絢也氏が人権侵害があったとして創価学会を、創価学会は矢野氏を名誉毀損で互いに訴えているなか、民主党や国民新党は矢野氏の参院での証人喚問を模索しています。
憲法上は参議院単独でできる証人喚問ですが、これまでは慣例上、証人喚問の実施は全会一致で決めていました。しかし、これを千載一遇のチャンスとみて、その慣例を破って民主・国民新が多数決で喚問実施を可決するかもしれません。
ここで何が飛び出すか……元公明党党首の発言が、公明党に大きなダメージを与えかねない。公明党がそうならないうちに早期解散を求める事情がよくわかります。
しかし、いま総選挙したら惨敗必至と、あくまで改造内閣の支持率上昇を待ちたい自民党。蜜月だった自公も、解散問題をめぐって徐々に対立が深まってきています。