よくわかる政治

更新日:2005年08月04日

ネットワークとしての「アル・カーイダ」

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ロンドン同時テロであらためて注目されるアル・カーイダ。これだけの包囲網の中、なぜ彼らは活動できるのか……かれらを組織としてではなく「ネットワーク」としてみると、それが見えてくるようです。

1ページ目 【オサマ=ビンラディンがテロリストになるまで】
2ページ目 【本体は潰れても「自己増殖する」アル・カイーダのテロリストたち】
3ページ目 【アル・カイ-ダ資金の流れ─国際的マネー・ロンダリングの手法】

【アル・カイ-ダ資金の流れ─国際的マネー・ロンダリングの手法】

豊富なオサマの資金に群がるテロリストたち

テロリストたちがこぞって「アル・カーイダ」を名乗る理由、これには「こうして傘下に入ることによって、資金が得られる」という側面があるように思えます。

オサマは億万長者のテロリストです。今でも相当の資産を持っているはずです。「アル・カーイダ」を名乗り、オサマに忠誠を誓うことによって、オサマ・ルートから大量の資金が流れてくる。このような図式が成り立っているのではないでしょうか。

とはいえ、これを現金や銀行間取引でやっていたら、すぐアシがつきます。そこで、「マネー・ロンダリング(資金洗浄)」をする必要があるわけです。ここからは、オサマ・ルートのマネーロンダリングを見てみることにします。

「ブラッド・ダイヤ」

「血塗られたダイヤ」……それが、ブラッド・ダイヤです。西アフリカ周辺でゲリラ勢力が、捕えた「奴隷」たちを使って採掘しているものをいいます。

ゲリラたちは、村落を襲い、女性をレイプし、少年たちに銃を持たせて父親を殺させて孤児にし、彼らをゲリラの兵にしたて、残った人々をダイヤの採掘に利用しているのです。

大手ダイヤメーカーは、この「ブラッド・ダイヤ」の使用を否定しています。確かに、意図的に使うことはないでしょう。しかし、例えば持ち込まれたダイヤ自体をそうかどうか、見分けることは困難です。

そう、あなたが身につけているそのダイヤも、実はブラッド・ダイヤなのかもしれません。産地まで書いてある鑑定書があれば別ですが、それ以外のダイヤが、そうでないという保障はありません。

ゲリラたちは、当然武器購入の資金がほしい。そこに、謎の男たちが現金をスーツケースに詰めてやってきます。そして、ダイヤを大量に買い付けていきます。ゲリラたちがダイヤの採掘に熱心なのは、こういうルートが成立しているからです。

アルカイダのマネーロンダリングの手法

ダイヤを買い付けていった男たちの正体はなんなのでしょう。おそらく彼らが、「アル・カーイダ」の資金洗浄を担当する人物たちだと思われます。

つまり、オサマの資金を、ダイヤに替える。そして、ダイヤをまたどこかで売って、現金化して、ヨーロッパや中東のテロリストたちに配分する。口座は、そのつど変えていけば、まずアシはつきません。

彼らのマネー・ロンダリングはダイヤが中心ですが、金でも行われているようです。やはり金もダイヤと同様、アフリカ産のものを使います。

金は、ダイヤと違い、中東ではいまだにそのまま通貨として通用するところもあるので、イラクのテロリストたちには金そのものがわたっているかも知れません。

おそらく、誰がこれをやっているかはなぞですが(アル・カイーダのメンバーなのか、はたまたオサマに同情を寄せるビンラディン一族なのか、それとも……)、この資金ルートが「アル・カイーダ・ネットワーク」を支えているとみられています。

「地下金融」ハワラを使った資金輸送

また、中東には「ハワラ」といわれる地下金融があります。地下、といっても、もともとは伝統的なもので、ある氏族のハワラにお金を渡して、自分の氏族の家族のもとへ送るよう頼む。そうすると、氏族のネットワークで、だいたい48時間くらいで、送金が完了する、というものです。

これも「アル・カーイダ・ネットワーク」がよく利用する送金方法のようです。

もともと、オサマは大富豪とはいえ、「トライバル・エリア」にじっとしていたのでは、資金は減る一方です。

しかしオサマは、若い頃サウジで、そしてスーダン、アフガンで事業を行っていました。それがどうなっているのかはわかりません。しかし、その投資が今もなお利益を生み、こうしたルートでオサマに渡っている可能性もあります。

特にスーダンはようやく内戦が終わったばかりの状態で、オサマの事業がどうなったのか、正確にはわかっていません。

そして、オサマが事業投資をしているのは、スーダンやアフガンばかりとは限りません。さっきいった、治安の悪い西アフリカなどで、収益を上げているものがあるかもしれません。それも当然把握は困難です。

というわけでまとめると、オサマは依然事業で利益を上げている。それを「ハワラ」を通じて集めている。私はそう考えます。

もっとも、オサマと結びつく「第3者」がオサマと密かに連絡し、集金→テロリストに分配、をしているのかもしれません。

「富めるテロリスト」オサマと増殖する「アル・カーイダ」

オサマは、見てきた通り、テロリストがそうだといわれる「社会的弱者」ではありません。大富豪です。その資金力で、テロ・ネットワークをあやつる。

一方、オサマはなにもしなくても、ネットによってアル・カーイダは増殖し、テロリストたちはどんどん増えていく。

アル・カーイダのテロ行為をなくすことの難しさが、これよっておわかりいただけたでしょうか。われわれは、何をすべきなのでしょうか。

「ネットワーク『アル・カーイダ』」についての参考書籍・資料はこちらをごらんください。

※ユニセフがダルフール緊急募金を募っています。こちらをごらんください。一番下に振込先がありますが、できれば最初から見ていただいた方がいいと思います。

【逐次更新】最新トピックス 今、最も話題を集めている政治のことがらについての最新情報がわかる記事やサイトを集めています。逐次更新されますのでお見逃しなく。

海外メディア CNN・BBCなど海外メディアによる政治の情報・解説サイトまたはページ。韓国三大新聞の日本語版サイトにもリンク。

アル・カーイダのマネーロンダリング手法

(執筆者:辻 雅之)

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