よくわかる経済

更新日:2007年02月19日

日銀の金融政策を読むための、3つの物価

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日銀の金融政策を理解するために、これだけは知っておきたい物価の指標。もちろん、物価の動向、景気指標について知っておきたいという方も、必見です。

文章:石原 敬子(All About「よくわかる経済」旧ガイド)
2月20・21日は、日銀が金利を引き上げるか否かの判断を行う、金融政策決定会合が開かれます。金利が上がって欲しいと思う方にも、上がっては困るという方にも、日銀の金融政策を理解するために知っておきたい景気指標の解説をしておきましょう。

もちろん、物価の動向を知りたい、景気指標について知っておきたいという方も、必見です。

<INDEX>
日銀の金融政策関連の話題は、3つの指標を抑えよ(1P目)
一般家庭で買う商品やサービスの価格(1P目)
総合的な物価のものさし、GDPデフレーター(2P目)
経済全体の需要と供給、需給ギャップ(3P目) 需給ギャップのギャップ?!(3P目)

日銀の金融政策関連の話題は、3つの指標を抑えよ

会議
利上げ?据え置き?9人の委員の採決で金融政策が決まる
日銀の金融政策決定会合では、総裁、副総裁を含む9人の政策委員が金融政策について話し合い、利上げの是非を採決します。1月の会合では利上げが見送られましたが、その理由は個人消費が弱いことと物価が安定していないと判断されたためです。

では、個人消費や物価の動向は、何を基準に判断しているのでしょうか。個人消費の状況を知る代表的な景気指標は消費者物価指数、総合的な物価の動向を捉える代表的な景気指標はGDPデフレーターで、日銀ではこれらを注視しています。また、物価はモノやサービスの需要と供給のバランスによって決められるものなので、物価の先行きを見るために需給ギャップも重要視されています。これらの景気指標を理解しておくと、日銀の金融政策のニュースもグーンと読みやすくなります。

一般家庭で買う商品やサービスの価格

昨年から、日銀の金融政策の判断は消費者物価指数を参考にすると伝えられていました。それによって7月のゼロ金利解除となったわけですが、その判断は誤りだったとも言われています。この消費者物価指数とは、どんな景気指標なのでしょうか。

消費者物価指数とは、その名の通り、「消費者」が購入するモノや受けるサービスの「物価」の変動を、ある年を基準にした「指数」で示したものです。

企業物価指数が原油とか鋼材など企業間の取引価格を示しているのに対して、一般の世帯の消費者が購入するモノやサービスの物価の変動を見るものが消費者物価指数です。外食や授業料などサービスの価格、つまり人件費のウエイトが高い品目が半分近くを占めるため、原材料の価格が大きく変動しても、消費者物価指数はそれほど影響がないことに注意が必要です。そのため、資源の価格が上昇していても、企業物価指数のようにストレートに反映するものではありません。

「指数」ですから、ある基準年を100として指数で表わします。現在の基準年は2005年で、5年ごとに更新されます。新しい商品が出されたり流行や好みの変化によって一般家庭が購入するモノやサービスは移り変わっていきます。それにに対応させるため、指数に採用する品目とそのウエイトなどを見直すわけなのです。この見直しが7月の利上げ以降に行われ、2000年基準に比べて2005年基準で見ると、強く物価が上がっているとも言えなくなってしまったのです。このことが、判断の誤りと言われる理由でしょう。

消費者物価指数を算出するための商品とサービスの対象は、なんと580品目程度。一般消費者の家計支出の中で購入頻度が高く、永続性があって日常的に購入する商品とサービスの値段について、小売の段階で調査をします。

2006年の消費者物価指数は、1998年以来8年ぶりの上昇となりました。デフレの終わりを数字で示したことになります。しかし、毎月の結果を見ると、2006年の夏から上昇率が小さく、物価上昇の強さが見られなくなっています。そのため、金利を引き上げるための材料としては、力不足と読む専門家が少なくありません。では、資源価格なども反映した物価の指標を使ってみたら、どのように判断できるのでしょうか。次のページでは違う見方で物価を見てみることにしましょう。

(執筆者:石原 敬子)

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