よくわかる政治

更新日:2005年04月03日

竹島問題をどうみればいいのか

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私の記事「竹島問題基礎知識」は多くの反響を頂きました。その中で、ご指摘のあったいくつかの点について、私なりのお答えをし、さらに、この問題をどういう視点で解決するべきなのかを、考えてみます。

注意! 〈このページでの主張は、あくまで辻雅之個人の考えであって、株式会社オールアバウトとは一切関係がありません。ページをご覧になった方は、このことを御了解されたものと考えます。〉

1ページ目 【「日本が韓国に《与えた》」という言葉の本当の意味】
2ページ目 【国際司法をかたくなに拒む韓国の背後にある歴史的な事情】
3ページ目 【竹島問題解決が遅れると、日韓「双方」に大きな不利益が】

【竹島問題解決が遅れると、日韓「双方」に大きな不利益が】
 

「よくわかる政治」的、竹島問題解決試案

怒られるかも知れませんが、私は生粋のリアリストなので、解決可能なことを書きます。まず、竹島と、その周辺の水域については、こういう措置を取るといいと思います。

・日本と韓国が、竹島(独島)に「潜在的主権」がある可能性があることを、双方とも認める。
・日本は、期限を区切って(30年とか)竹島を韓国に「無償租借(貸し出す)」する旨、国内法の整備を行う。期限が来たら、更新するかどうか話し合う。
・現在設定されている竹島周辺の「日韓暫定水域」には、両国とも排他的経済水域(EEZ)を設定しないことを確認する。
・韓国は、日本が竹島を韓国に租借したことを尊重し、主権が韓国にある可能性があることを考慮しつつも、竹島周辺での日本人漁業関係者などの安全維持に、可能なだけ協力する。
・「日韓暫定水域」を、「日韓共同管理水域」とし、日韓で「共同水域管理機構」を設置、水産資源の管理を共同で行う。

竹島問題で一番問題なのは、水域資源の管理にあるのです。だから、島根県の「竹島の日条例」制定にあたって、水産資源管理が死活問題につながる漁業関係者の後押しが強力だったのは、このためです。

つまり、共同暫定水域として管理権を棚上げし、両国ともになんら水産資源を管理しないと、乱獲が進み、やがて魚がとれなくなってしまいます。これは、(ここが大事なのですが)日韓両国にとって、不利益です。

したがって、竹島周辺の「暫定水域」、これは要するに管理の棚上げですから、しっかり管理するために「共同管理水域」とし、日韓で水産資源管理をすることが重要です。

もう一度いいますが、これは日韓両国の利益に関わるのです。魚は、日本と韓国などをいったりきたりしているのですから。魚には、国境はわかりませんから。水域全体を共同管理しないと、お互いがお互いを食い合い、疲弊する、悪循環に陥ってしまいます。

「内海」である日本海の国際的管理は急務

そして、これが実現されることによって、「日本海(東海)全体の水産資源管理」と「環境保全」ができるようになるでしょう。

日本海のように、入り口・出口が狭い海を、「内海」といいます。一番大きいのが地中海で、黒海、バルト海などが典型的な内海ですね。

内海は閉鎖的な環境にあるので、資源管理をしなければ、やがて資源の枯渇を招いてしまいます。沿岸国が協力して資源管理をする必要があります。

また、太平洋のような大きな海とは違い、内海は閉鎖的なため、海洋汚染が進みやすいという特徴もあります。汚染もまた、国境を超えてやってくるものですから、これもまた、環境保全を沿岸国が協力して行うことが必要になります。

ですから、(北朝鮮がいるのが若干ややこしいのですが)、日本・韓国・北朝鮮・ロシアの沿岸4ヵ国で、早期に「日本海資源・環境管理機構」を作ることが重要だと考えます。

(もっとも、日本海には中国・モンゴルの河川も流れ込んでいるため、環境管理については、沿岸国ではないですがこの2ヵ国の参加も必要となるでしょう)

そのためには、竹島問題を早期に解決することが必要で、そのために、できるかぎり早期に解決できる案として、上記の案をみなさんに見ていただいたわけです。

各地域では進んでいる内海の国際管理

工業化が進んだ現代、内海の資源管理と環境保全協力は、あちこちで進んでいます。

すでにバルト海では、1974年、沿岸国による「バルト海洋環境保護委員会HELCOM)」が設けられ、各国共同の海洋環境保護協力を行っています。タンカー事故による環境汚染を早急に処理したり、汚染物質の排出制限、生物多様性の確保など、かなり組織的にさまざまな政策を実行しています。

また、それより先の1973年には、「バルト海漁業会議」が機関として設置され、決定機関である下部委員会(ワルシャワに設置)が水産資源に関する恒常的な監視体制をとっています。

黒海は、沿岸国はどちらかというと黒海内貿易の方に興味があるようで、内海管理はそれほど進展していませんが、それでも「黒海環境プログラム(BSEP)が沿岸国によって1994年に設立、一定の活動を行っています。

他地域での内海でも、沿岸国を主体とした国際的な水域管理の制度づくりが、徐々に始まりつつあります。

日本海も、このように、早急に国際管理をはじめるべきではないでしょうか。

グローバル時代、国家を超えた、しかし現実的な視点で考えたい

とりあえず、私の主張は、以上です。

日韓双方のマスコミの大半に欠けているのは、後半で申し上げた「日本海の管理」の必要性です。内海の国際的管理は世界の趨勢であり、早期に着手しなければ、日本も韓国も、竹島を失うこと以上のものを失うことになるはずです。

みなさんの火をつけておいて勝手で申し訳ありませんが、竹島問題を語る際、この「内海管理」の視点を、付け加えていただけるとありがたいと思います。

※ユニセフがダルフール緊急募金を募っています。こちらをごらんください。一番下に振込先がありますが、できれば最初から見ていただいた方がいいと思います。

【逐次更新】最新トピックス 今、最も話題を集めている政治のことがらについての最新情報がわかる記事やサイトを集めています。逐次更新されますのでお見逃しなく。

海外メディア CNN・BBCなど海外メディアによる政治の情報・解説サイトまたはページ。韓国三大新聞の日本語版サイトにもリンク。

(執筆者:辻 雅之)

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