文章:鳥羽 賢(All About「世界のニュース・トレンド」旧ガイド)
アメリカ自動車メーカーのビッグ3、(GM[ゼネラル・モーターズ]、フォード、クライスラー)の3社が、破綻の危機に瀕しています。20世紀のアメリカ経済を引っ張ってきたと言われるこれらが破綻したら、どのような影響が出るのでしょうか?
【CONTENTS】
金融危機による自動車販売の不振が直撃(1P目)ビッグ3が破綻した場合の影響-心理面(2P目)アメリカの自動車市場は混乱する(2P目)救済か?破綻覚悟か?米政府に迫られる決断(3P目)金融危機による自動車販売の不振が直撃
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| ビッグ3は長年アメリカ経済の中核的存在だった。 |
ビッグ3は、長年アメリカの自動車業界において寡占状態にありました。1955年に当時のGM会長であるチャールズ・ウィルソンが「GMにとっていいことは、アメリカにとってもいいことだ。その逆もしかり」と上院議会で発言した有名な話があります。それだけ、GMという会社はアメリカ経済そのものとすら言える存在だったのでしょう。現在でも自動車関連産業は、アメリカ全体の雇用の10%を占めていると言われます。
そのようにアメリカ経済にとって重要な産業である自動車業界ですが、ここ数年は自動車販売の不振によるダメージが、ビッグ3にじわりじわりと効いてきています。自動車の販売台数が下がっている大きな原因の1つとして、
原油の高騰があります。
2005年以降は原油価格が高騰し続けています。アメリカの車は日本車などに比べてサイズが大きく、燃費もかなり悪くなっています。そのためにアメリカ国内だけではなく他の地域でも、アメリカ車よりも燃費のいい日本車を買う消費者が増えています。
そこにさらに
9月以降の金融危機が追い討ちをかけました。今年10月の新車販売台数は惨憺たるもので、アメリカ全体で前年同月比31.9%も落ち込んでいます。各企業の数字を見ると、GMは前年同月比で45.4%減と半分近くになり、フォードは29.2%減、クライスラーは34.9%減でした。日本でも新車販売台数はかなり下がり、10月は前年同月比で13.1%減でした。
すでにGMとフォードは、2008年の上半期に両社で合わせて270億ドル(約2兆5000億円)以上の純損失を計上する深刻な状況になっています。このままいくと金融危機による資金調達環境の悪化のために、ビッグ3の中で最も経営が悪化しているGMは、来年前半には会社の運転資金が不足すると予想されています。運転資金の不足とは、つまり「倒産」を意味します。
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