文章:鳥羽 賢(All About「世界のニュース・トレンド」旧ガイド)
ここ数年世界では、国境を超えて課される税金「国際連帯税」の導入議論が進んでいます。日本ではまだ導入されていませんが、フランスなど他の先進国ではすでに導入された実績もあります。この税は、日本でも定着するでしょうか?
【CONTENTS】
国際連帯税が求められる理由(1P目)現在検討・導入されている国際連帯税(1P目)日本における国際連帯税の導入議論は?(2P目)導入に関しての問題点(2P目)国際連帯税が求められる理由
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| 2002年3月、国連開発資金国際会議開催されたモンテレーは、メキシコの北東部にあるメキシコ第3の都市。 |
国際連帯税の概念は、2002年3月にメキシコのモンテレーで開催された国連開発資金国際会議で、初めて議論されました。その目的としては、貧困やエイズなど世界の諸問題を解決する資金を調達するために、国境の枠を超えた課税を行っていこうというものがありました。
一般的な「税金」は、その国の政府にお金が入り、国の医療や公共事業などに使われます。またその中の一部はODA(政府開発援助)として、途上国の援助にまわされています。それに対して国際連帯税は、各国が徴収してもその国に使われるのではなく、国際的な目的に使われるという大きな違いがあります。
現在検討・導入されている国際連帯税
具体的には、次のような税制があります。これらは、すでに導入されているものあれば、検討中のものもあります。
航空券税フランスやドイツなど先進国を中心に、すでに8カ国で導入されている国際連帯税です。航空券を購入すると税金がかかる仕組みで、フランスでは航空券の行き先やクラスによって、1~40ユーロの税金がかけられるようになっています。
各国が徴収した航空券税は、国連機関のUNITAID(国際医療品購入ファシリティ)に集められ、実際の援助にまわされています。
通貨取引税外国為替取引の取引額に対して、一定の割合で課される税金です。外国為替取引とは、身近なところで言えば
FX(外国為替証拠金取引)があります。FXは特にここ1~2年、日本で広まっていて、すでにFX取引を行っている方も多いでしょう。通貨取引税が導入されれば、FX取引に課税されることになります。税率の例としては、1回の取引額の0.005%が課税されたりします。つまり1万ドルを取引すると、約50円の税金がつくことになります。
通貨取引税は、ベルギーで2004年7月に導入に向けた法案が通過しています。しかしベルギーはユーロという他国との共通通貨を持っている国であるため、すぐに課税が始まるわけではありません。この法案は「他国で同様の法案が通過した場合に実施される」という条件つきのものでした。
武器取引税武器を国家間で輸出入した際に、かけられる税金です。この税については、まだ実際に導入している国はありません。
炭素税石炭・石油・天然ガスなどの化石燃料に対して、炭素(または二酸化炭素)の含有量に比例して課す税金です。結果的に化石燃料の価格が上がりますが、需要が抑制されて地球温暖化を防止する効果があると考えられています。現在では、フィンランド、ノルウェー、オランダ、スウェーデン、デンマークと北欧周辺の5ヶ国が炭素税を導入していますし、他にも同様の環境税を導入する国が増えています。
具体的な税率の例としてスウェーデンを取り上げると、1991年に導入された当時は炭素1トンあたり250クローネ(約4,000円)の税金がかけられ、1998年からは1トンあたり365クローネ(約6,000円)に引き上げられています。
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