日銀短観
日銀短観は、企業の経営者に対するアンケート調査です。正式名称を「企業短期経済観測調査」といいます。
日銀が、金融政策を決める際に、参考にするためのアンケートで「景気についての実感」を4半期(3,6,9,12月)ごとに全国1万社近くの企業経営者を対象に調査します。
対象企業を規模別や業種別に集計するため、「主要企業」と「中堅・中小企業」に分けています。この「主要企業」の結果は最も注目度が高く、景況調査の中では最も信頼度の高いものです。
調査時点から発表までのタイムラグが小さいのも特徴です。
この調査の中の「業況判断指数(DI)」が、特に注目度が高いです。
企業の経営者の景況感を指数化したものなのですが、具体的には、
《質問》「業況は前よりよくなったか?悪くなったか?」
《回答》「良い」「さほど良くない」「悪い」の3つ
《算出方法》「良い」の回答の割合から「悪い」の回答の割合を引いたものを指数(DI)化
このような手順で算出した結果で業況判断、製品需給、製品在庫水準などに関する企業の判断を探ることができます。これによって、景気、物価の動向を知るというものです。
12月15日にはこの日銀短観の12月調査が発表になりました。
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| 原油の値上がりが消費を抑える? |
いままで、景気のけん引役だったIT(情報技術)製品が在庫調整をしていることや、原油高による素材価格の値上がり、円高・ドル安の影響で、景気の先行きに不透明さを感じる経営者がこれまで以上に出てきているようです。
業況判断指数(DI)は企業経営者へのアンケート調査なので、人々の景気の実感に近いデータとなります。景気ウォッチャー調査が「街角景気」と言われ、生活に密着した消費に係わる商売の方々にアンケートするのに対して、日銀短観は企業の経営者に質問をしているものです。
調査対象は主要企業約700社、中小企業約9,000社とサンプル数が十分にあり、また回収率も高いので、数多くある経済指標の中でも特に注目されている統計です。
この日銀短観では、アンケート以外に、売上高、経常利益、設備投資額、金融機関の貸し出し態度なども、調べて一緒に発表しています。
統計は上手な使い分けがコツ
ここまで2回にわたって、代表的な景気指標をご紹介してきましたが、それぞれの統計には長所と欠点があります。
例えば、今発表している最新の統計でも、先月分を即発表している景気ウォッチャー指数と、速報値ですら前々月分をを公表している景気動向指数とでは、「いつ時点の話なのか」を念頭において読まないと、意味がありません。
また、同じ製造業でも素材を扱う企業のの景況感と、消費者が手に取る製品を作っている企業景況感には時間差があります。
統計そのものが持つ時間差を理解するには景気動向指数の分類が参考になります。
地域の特徴による格差もあります。日銀短観の業況指数と同じタイプのアンケートの地方版としては、地方銀行や信用金庫、各地域の商工会議所などが行っています。
数値が示す景気と、人の感じ方が示す景気とが常にマッチしているとも限りません。それぞれの指標の特徴をよく知り、数字と自分の感度の違いを認識してデータを利用したいものです。
【関連サイト】
「景気回復」という名の落とし穴内閣府“統計のページ”(GDP経済成長率・景気動向指数・景気ウォッチャー調査)経済産業省“統計”(鉱工業指数)日本銀行“統計”(日銀短観)【関連リンク集】
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