文章:鳥羽 賢(All About「世界のニュース・トレンド」旧ガイド)
ある国の経済発展の度合いを表す指標として、これまで最もよく使われてきたのが
GNP(国民総生産)や
GDP(国内総生産)でした。しかし最近世界で注目されているのがGNH(国民総幸福量)という概念です。
【CONTENTS】
GNHはヒマラヤの小国・ブータン生まれ(1P目)GNHは指標化できるのか?(1P目)現在ある4つの柱(2P目)日本人にももっと「幸せ」が必要?(3P目)日本の幸福度は178カ国中90位?!(4P目)GNHはヒマラヤの小国・ブータン生まれ
 |
| ブータンはインドと中国に挟まれた、ヒマラヤの小さな国だ。 |
GNHとはGross National Happinessの略ですが、この概念はブータンの現国王であるワンチュク国王が提唱したものです。ワンチュク国王は1976年の第5回非同盟諸国会議で、「GNPよりもGNHが重要である」と発言をしました。これが、GNHという概念の誕生であると言われています。
それから30年以上も経っていますが、ブータンではそのワンチュク国王の言葉を基にして、「いかに国民を幸福にするか?」を基本の考え方として経済運営を行ってきました。その結果ブータンの国民は全体の80%が、日本の国勢調査にあたる調査で「自分が幸福である」と答えています。果たして、日本人が同じ質問をされたらどれだけの人が「自分は幸福である」と答えられるでしょうか?
GNHは指標化できるのか?
さて、GNHが国民の幸福度を計る概念なのは分かりましたが、それは一体どうやって「幸せ」を計るのでしょうか?幸せとは、決して数字にできる概念ではありません。
実のところは、GNHの概念はGNPやGDPのような完全に定義が決まっている指標とは違って、まだ確立されていないというのが現状です。そこでここ最近になって、GNHをもっとはっきりとした指標として確立しようという動きが世界で高まっています。
そのための国際会議も、随時開催されています。つい最近では第3回世界GNH会議という会議が、11月22日から28日までタイのバンコクで開催されました。そこでは世界からGNH分野の学者や専門家が集まり、意見交換が行われました。
→次ページ。現在ある程度確立されている、GNHの4つの柱とは?