住宅購入の費用・税金/住宅ローンのしくみと選び方

返済比率「年収の25%」は常識?(2ページ目)

住宅ローンがいくら借りられるかは予算を左右する大問題。ローン返済額が年収に占める比率は「25%が目安」とよく言われますが、本当にどんなケースにも当てはまるのでしょうか。検証してみました。

大森 広司

執筆者:大森 広司

マンション入門ガイド

35年返済なら4000万円の物件が買える

では、年収25%の負担でいくらのマンションが買えるのでしょうか?

下記に年収と返済比率、返済期間による借りられる額の違いを表にまとめてみました。この表を参考にすると、金利3%、35年返済として計算すると、年間返済額150万円で借りられる金額は約3250万円。頭金を価格の20%強にあたる820万円用意すると、4070万円の物件が買える計算です。都心から少し離れれば、ファミリータイプの住戸にじゅうぶん手が届く予算といえます。

ただし、35年返済ですから、年齢が仮に32歳だとすると67歳までローンを返済しなければなりません。公的年金があてにならないこれからは、定年を迎える60歳までにローンを返し終えるのが原則です。そこで返済期間を28年で計算すると、借りられる金額が約2840万円にダウンします。頭金の額が変わらないと予算も3660万円に下がります。

試算表
年収、返済比率、返済期間別の借りられる額の目安(金利3%)



短期返済なら25%以上でも総返済額がラク

もし予算を下げたくないのなら、返済期間を35年のままにするか、頭金を増やすか、あるいは返済比率を約36%に引き上げるかのいずれかです。仮に予算をそのままに返済比率を上げると月々の負担は重くなりますが、返済期間が短い分、トータルの総返済額は逆に軽くなります。ちなみに借入額3250万円、金利3%の場合の総返済額は35年返済だと約5250万円ですが、28年返済では約4800万円です。

ようするに、同じ返済比率でも金利や返済期間によって借りられる額は大きく変わりますし、自己資金がいくらあるかによって予算も左右されるのです。そして比率が低いほど安全であることは確かですが、「10年短縮して、25年返済でがんばって早く返そう!」というのなら、返済比率が多少高くなっても許容されるケースもあります。「25%」というのは35年返済で借りた場合のひとつの目安と考えるべきでしょう。
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