マンション情報収集術

更新日:2005年01月27日

性能のチェックポイント(1) 住宅を格付け!?住宅性能表示制度

マンションもクルマと同じように性能を比較して選びたいなら、「住宅性能表示制度」を知っておきましょう。ちょっと専門的でとっつきにくいかもしれませんが、仕組みを覚えておくときっと役に立つはずです。

専門知識を知らない人でも住宅の性能がわかる!

マンション評価イメージ
「住宅性能評価制度はその住宅を格付けする」といっても過言ではありません。
クルマや家電を買うときに、燃費や消費電力といった性能をチェックする人は多いと思います。では、住宅はどうでしょう。住宅の住み心地がいいかどうかは、その住宅の性能に大きく左右されるであろうことはなんとなく想像できます。でも、家を買うときに住宅の性能まで確認するでしょうか。そもそも、住宅の性能とはなんなのでしょう。

住宅の性能というと、耐震性や省エネ性、遮音性などいくつかの項目が思いつきます。マンションの分譲会社では自社物件の性能について広告などで宣伝していますが、表現の仕方がまちまちなので客観的に比較しにくいのが実情です。また、本当にその性能があるのかどうかを確認することも、素人にはまず無理と言えるかもしれません。

そこで2000年10月からスタートしたのが「住宅性能表示制度」です。マンションや一戸建ての性能を「構造の安定」「音環境」「火災時の安全」など9分野に分け、さらに各分野を細かく区分した全29項目について、「等級○」「○○%」などと分かりやすく表示します。表示する項目や表示方法、どうやって性能を評価するかといったことはすべて国が基準を設けているので、表示された内容を見れば素人でも住宅の性能を比較できるという便利な制度です。


【住宅性能表示制度の表示項目】
表示項目表示の方法※
(1)構造の安定に関すること
(地震や暴風に対する強さ、地盤の強さ、基礎の構造など)
耐震等級(1~3)、耐風等級(1・2)など
(2)火災時の安全に関すること
(感知警報装置の設置状況、避難安全対策、耐火性能など)
感知警報装置設置等級(1~4)、耐火等級(界壁及び界床:1~4)など
(3)劣化の軽減に関すること
(構造躯体等の耐久性)
劣化対策等級(1~3)
(4)維持管理への配慮に関すること
(給排水管・ガス管の維持管理への対策の程度)
維持管理対策等級(1~3)
(5)温熱環境に関すること
(住宅の断熱化等による省エネルギー性)
省エネルギー対策等級(1~4)
(6)空気環境に関すること
(ホルムアルデヒドの放散量の少なさ、換気の方法、室内の化学物質濃度など)
ホルムアルデヒド発散等級(1~3)など
(7)光・視環境に関すること
(開口部の大きさ、方位)
単純開口率(○○%)、方位別開口比
(8)音環境に関すること[選択項目]
(床や壁の遮音性)
重量床衝撃音対策等級(1~5)、軽量床衝撃音対策等級(1~5)など
(9)高齢者等への配慮に関すること
(バリアフリーの程度、介助のしやすさ)
高齢者等配慮対策等級(1~5)
※等級は数字があがるほど、性能が良くなります。



まずは設計段階で評価。そして施工時と完成時にさらに評価。

性能評価マーク
会社によっては設計住宅性能評価書(上)だけ取得をして、建設住宅性能評価書(下)は省略することがあります。
評価書は、「指定住宅性能評価機関」という第三者機関に評価してもらいます。ですが、物件の中には性能表示を分譲会社が独自に評価している場合もあります。これは評価を基準に沿って「自己採点」するため、 評価書は取得できていません。

また評価書も、まず設計段階で評価を受ける「設計住宅性能評価書」とさらに施工段階と完成段階で検査を受ける「建設住宅性能評価書」の2種類があります。ですので、「性能表示付き」という物件は第三者機関による評価書を取得しているということです。ただ、分譲会社によっては設計住宅性能評価書のみを取得して、建設住宅性能評価書は省略することもあります。

評価書にはそれぞれ法律に基づくマークが表示される決まりです。分譲会社がマーク付きの評価書を売買契約書に添付した場合は、評価書の内容が契約されたものとみなされます。評価書を発行してもらうには評価料が必要ですが、マンションでは売り主が負担するのが一般的です。


入居後のトラブルを解決しやすい仕組みも用意

評価書付きのマンションなら性能を比較しやすいだけでなく、第三者機関によるチェックが入るという安心感もメリットです。さらに、評価書付きマンションを買ってから欠陥などのトラブルが起きた場合、各地の弁護士会が「指定住宅紛争処理機関」として調停・あっせん・仲裁にあたってくれる特典もあります。紛争処理の申請料は1万円と格安です。ただし、トラブルの解決は買主と売主がお互いに納得することが前提です。仮に売主が「そもそも欠陥ではない」と言い張れば、結局のところ裁判で争うしかありません。

性能表示制度は任意の制度なので、すべてのマンションが実施しているわけではありません。しかし表示付きのマンションは着実に増えており、建設住宅性能評価書の交付戸数は2004年11月末時点の累計で(一戸建て等も含んだ総数で)20万830戸に達しています。マンションを選ぶときには評価書を取得しているかどうかもチェックしてみるといいでしょう。

なお、性能表示制度は新築住宅向けにスタートしましたが、中古住宅向けの制度も2002年12月から始まりました。中古住宅では評価方法や表示項目が新築住宅の場合とやや異なりますので、注意が必要です。
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大森 広司

ベテラン住宅ライターが、マンション選びからお金の話まで分かりやすく解説。

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