文章:鳥羽 賢(All About「世界のニュース・トレンド」旧ガイド)
地球上にはまだまだ人類が理解できていない気象現象が多々ありますが、その中の2つがエルニーニョとラニーニャです。これらはどちらも太平洋赤道域の海面水温が異常に高くなったり低くなったりする現象ですが、発生すると様々な異常気象をもたらすと言われています。そして2007年6月現在、ラニーニャ現象が観測されています。
【CONTENTS】
海面水温が異常に上昇するエルニーニョ(1P目)エルニーニョの反対で水温が低下するのがラニーニャ(1P目)水不足に警戒が必要(2P目)海面水温が異常に上昇するエルニーニョ
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| エルニーニョが発生している状態での水温図。赤くなっている部分で水温が上昇している。 |
エルニーニョとラニーニャの内、これまでに多く起こってきたのが、太平洋赤道域の海面水温が異常に上昇するエルニーニョ現象です。水温が上昇するのはだいたい日付変更線からペルー沿岸、つまり太平洋の東半分の辺りです。
エルニーニョとはスペイン語で「神の子(男の子)」という意味を持つ言葉です。エルニーニョは数年に1回の割合で発生しますが、発生すると世界的に気象に影響を与えます。漁業が盛んなペルーなどの国では、エルニーニョが発生すると魚が獲れなくなり、漁業に深刻な打撃を与えます。
また日本にもその影響は大きく、エルニーニョが発生すると梅雨が長くなったり、暖冬になったりします。ただし一概に「エルニーニョの影響はこうだ」と言うことは難しく、発生する度に違う影響が出てくるものでもあります。
エルニーニョの反対で水温が低下するのがラニーニャ
一方で2007年6月現在で観測されているのが、太平洋赤道域の海面水温が異常に低下するラニーニャ現象です。ラニーニャはエルニーニョと同じ太平洋赤道域の、東半分辺りで観測される現象です。またラニーニャという言葉は、スペイン語で「女の子」の意味を持っています。
ラニーニャが発生すると、太平洋の西半分では水温が高くなるため、水蒸気が多く発生して高気圧の活動が活発になり、日本では梅雨が短くなったり夏は猛暑になると言われています。
エルニーニョやラニーニャには、まだ世界共通の定義も存在していません。日本の気象庁では、エルニーニョ監視海域(南緯5度-北緯5度、西経150度-西経90度)における、海面水温の基準値(その年の前年までの30年間の各月の平均値)との差の5か月移動平均値(その月および前後2か月を含めた5か月の平均をとった値)が、6か月以上続けて+0.5度以上となった場合をエルニーニョ現象、-0.5度以下となった場合をラニーニャ現象と定義しています。
このように定義すらもまだ曖昧なエルニーニョやラニーニャは、まだまだ分かっていない部分が多いのです。そのために、それらによって起こる異常気象も、対策を立てるのが難しくなっています。
→次ページでは、ラニーニャによって起こりうる問題について見てみます。