文章:鳥羽 賢(All About「世界のニュース・トレンド」旧ガイド)
今から10年以上前の1996年に、体細胞クローン(以下「クローン」)によって誕生した羊の
ドリーがニュースになりました。そして今アメリカの
FDA(食品医薬品局)が、世界に先駆けてクローンによる動物から製造された食品を販売認可しようとしています。
FDAは3月末までに消費者からの意見を聞いて、それを参考にして2007年内に販売の最終的な認可を出すつもりでいます。そして消費者が判断する材料として、クローン動物に関する多数の実験結果を公表しています。
クローン動物はすでに世界で数百頭誕生していると言われており、実験も何百回と行われています。今回ここに載せているFDA公表の実験は、いわばそのほんの一部ですが、多少なりとも参考になればと思います。
【CONTENTS】
クローンによって生まれた動物、何か違う?(1P目)クローン動物肉の栄養価は?(2P目)本当に流通するの?クローン食品(2P目)クローン技術は食糧事情を改善させるか?(2P目)クローンによって生まれた動物、何か違う?
まずはクローンによって誕生した動物が、普通の生殖で誕生した動物と違うのか確認した実験です。これはオス豚を使った実験で、クローンによって誕生した豚が4頭、そして普通に誕生した豚が比較のために3頭用意されました。
クローン動物と普通の動物との違いについては、本当にさまざまな実験がこれまで行われています。ここでは哺乳類の最も根源的な機能である、生殖機能についての実験結果を紹介します。今回の実験では、クローンのオス豚4頭と普通のオス豚3頭の精子を採取して、その内容を鑑定しています。
クローン豚4頭と普通豚3頭は別々の小屋で飼育され、精子を採取されました。そして精子は摂氏19度で保存され、それからその成分が鑑定されています。その結果は以下のようになりました。
<クローン豚の精子鑑定結果表> |
| 最近は人間の精子数が減少しているという話も出ている。 |
このように、生殖機能面から見る限りはクローン豚が一般の豚と違う点は全くありません。では次に、食品としての栄養価の検査です。
→今度はクローン豚の肉が、普通の豚肉と同じ栄養素を含んでいるか実験が行われました。