★ポイント★
1.日銀の日本の中央銀行で、政府から独立している。その機能は、(1)発券銀行、(2)銀行の銀行、(3)政府の銀行。
2.それらの機能から、日銀は、金融政策、健全な金融システムの維持という役割を担う。
日銀は中央銀行と呼ばれる特別な銀行であることはご存知の方も多いと思います。日本の紙幣には日本銀行券と印刷してあり、現金である紙幣を発行できるのは日銀だけです。これに対し私達が利用している銀行(たとえば、東京三菱銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、UFJ銀行など)は、紙幣の発行ができません。このような中央銀行以外の銀行は市中銀行と呼ばれます。
ちなみに、米国の中央銀行、つまり、ドル紙幣を発行するのは米国連邦準備銀行(FRB:Federal Reserved Bank)でFederalの一部をとってFed(フェッド)とも呼ばれ、ユーロを発行する欧州共同体(EU)の中央銀行は欧州中央銀行(ECB:European Central Bank)です。
日銀などの各国の中央銀行は、政府から独立しているのが通常です。ここで、政府とは行政府の略で,国の三権分立でいうと国会・内閣・裁判所の内閣にあたります。内閣とは、内閣総理大臣を長とし、国務大臣とその下にある各省庁を意味します。ですから、金融庁や財務省は政府の一部です。ところが、日銀は公的機関なのですが、政府ではなく、日本銀行法に基づいて設立された特殊法人で株式会社なのです。
なお、1998年4月より、日銀法が改正され、日銀の政府からの独立性が強化されています。
中央銀行の機能は(1)発券銀行、(2)銀行の銀行、(3)政府の銀行の3つです。
(1)発券銀行 現金である紙幣を発行する。
中央銀行は、現金である紙幣の発行量を調整することにより、貨幣(=現金+預金)の量(供給量)を調整します。金利は貨幣の需要と供給により決まりますから、貨幣供給量を増やせば、金利が下落します。金利が下落すれば、お金が借りやすくなり、住宅投資や企業の設備投資が増加し、需要(注文)が増えるので、景気はよくなっていきます。
このように、中央銀行は発券銀行であるがゆえに、貨幣の量を調整することにより景気対策を行うという重要な役割を担います。なお、貨幣量の調整により経済(景気)を安定化させることを金融政策といいます。
(2)銀行の銀行 中央銀行は、銀行と取引を行います。
中央銀行は、銀行から預金を受け入れ、銀行に貸し出しをします。銀行との日々の取引を通じて、資金不足の銀行に貨幣を供給したりして、銀行の一時的な資金不足による支払不能、すなわち倒産などによる金融システムの混乱を防ぎます。
貨幣は貨幣経済にとってはきわめて重要なものであり、この経済の血液ともいえる貨幣の循環を円滑に行うためには、健全な金融システムの維持がきわめて重要です。健全な金融システムの維持も中央銀行の重要な役割です。
(3)政府の銀行 中央銀行は政府の資金収支の事務を行います。
政府は日銀に口座を持っており、政府の資金の収支(収入と支出)は日銀の口座で行われます。
★キーワード★
市中銀行
中央銀行以外の銀行。日常、私達が利用している銀行(たとえば、東京三菱銀行とか三井住友銀行、みずほ銀行、UFJ銀行など)で、現金である紙幣の発行ができません。
中央銀行
1. 発券銀行、2.銀行の銀行、3.政府の銀行の3機能を持つ銀行。
米国連邦準備銀行(FRB:Federal Reserved Bank)
米国の中央銀行、つまり、ドル紙幣を発行する銀行。Federalの一部をとってFed(フェッド)とか、FRBとも呼ばれます。現議長のグリーンスパン氏は各方面からの信頼が厚い人物として有名です。
欧州中央銀行(ECB:European Central Bank)
ユーロを発行する欧州共同体(EU)の中央銀行。
日本銀行
日本円の紙幣を発行する日本の中央銀行。日銀は公的機関なのですが、政府(行政府)ではなく、日本銀行法に基づいて設立された特殊法人。1998年4月より、日銀法が改正
され、日銀の政府からの独立性が強化されています。
発券銀行
現金である紙幣を発行する。
銀行の銀行
中央銀行は、銀行と取引を行います。中央銀行は、銀行から預金を受け入れ、銀行に貸し出しをします。銀行との日々の取引を通じて、資金不足の銀行に貨幣を供給したりして、銀行の一時的な資金不足による支払不能、すなわち倒産などによる金融システムの混乱を防ぎます。ですから、中央銀行を銀行の銀行と呼ぶのです。
政府の銀行
中央銀行は政府の資金収支の事務を行います。政府は日銀に口座を持っており、政府の資金の収支(収入と支出)は日銀の口座で行われます。ですから、中央銀行は政府の銀行といわれます。
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