日本では低い認知度
トランス脂肪酸の危険性に対する認知度が非常に高まっている欧米ですが、日本ではまだあまり認知されていません。その原因の1つとしては、日本人の食生活では欧米ほどトランス脂肪酸を含む食品を採っていないことが挙げられます。
トランス脂肪酸を含む食品は、マーガリンやクッキー、ショートニングを使用して調理されたファーストフードなどです。これらの摂取量が、欧米と日本とではまだ差がかなりあると思われます。
食品の安全性と企業の対応を調査する民間団体である
食の安全協会は、日本におけるトランス脂肪酸の使用を調査しています。そして、マーガリンを製造・販売しているある食品メーカーに、トランス脂肪酸の危険性をどう認識しているのか、尋ねる質問状を出しました。
その食品メーカーの返答は「確かに、トランス脂肪酸がボケなどを進行させやすくさせる働きがあります。しかし、日本人は欧米に比べて脂肪の摂取量が少なく、身体に大きな影響が出る危険性はないと思われます」というものでした。この回答だと「これ以上マーガリンを食べて、トランス脂肪酸の摂取量を増やすのは控えた方がいいですよ」という意味にも取れます。
消費者の知識と意識が必要
<日本の各食品のトランス脂肪酸含有量一覧> |
| マーガリンはどれもトランス脂肪酸含有量が多い。出典:「危険な油が病気を起こしている」(オフィス今村) |
書籍「危険な油が病気を起こしている」の中では、日本の食品メーカーのトランス脂肪酸使用状況が、カナダのシンクタンクであるSGS研究所によって調査されています。それによりますと、日本のマーガリン各製品は10~15%、サラダ油各製品は1~3%のトランス脂肪酸を含有しているとされています。「危険な油が病気を起こしている」の中には、具体的にメーカー名や商品名を挙げてSGS研究所の調査結果が掲載されています。興味のある方は購読してみて下さい。
脂肪を多く採る欧米では、トランス脂肪酸による健康への悪影響も日本よりかなり顕著に現れています。だからこそ、消費者の認識度も高く、政府もすでに対策を立てているのです。例えばデンマークでは、2004年1月から全ての食品について、油脂中のトランス脂肪酸の含有率を2%以下にするよう制限されました。
しかし欧米化している日本の食生活を考えると、トランス脂肪酸の影響が今後も絶対出てこないとは言い切れません。大事なことは、消費者が食品やそれに使われている物質についての知識をしっかり持ち、安全な食品を選んでいくことではないでしょうか?
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