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サミットに参加する首脳たちってどんな人?

7月20日から行われるジェノバサミット、これに参加する各国の「首脳」っていったいどんな人たちなんでしょう。まずはホスト国イタリア、カナダ、フランスの首脳たちについて説明してみました。

執筆者:辻 雅之



【イタリア共和国/ベルルスコ-ニ首相】
6年ぶりに返り咲きの首相はイタリアの大メディア王!


もともとイタリア民放三大ネットワークのオーナーとしてまさに「メディア王」として君臨していた彼が新党「フォルツァ・イタリア(直訳では「がんばれイタリア」)を結成して政界に進出、メディアの力を駆使してあっという間に首相にまで登りつめたのは1994年でした。

当時のイタリアはそれまで政界の中心だった中道保守政党(自民党みたいなスタンスの政党と考えてくれればいいでしょう)の力が衰えはじめた時期。勢力維持に必死な左派系政党(日本でいうと社民党・共産党に近い)と、新たに勢力を増やしはじめた右派系政党(日本でいう「右翼」のような民族主義的な政党や、地域の利益を主張する政党、戦前のファシスト時代をある程度評価する政党など)が政治の2大勢力になりつつありました。

そのようななか、ベルルスコーニは右派系政党連合のリーダーとして総選挙に勝ち、政権を握ることになったわけです。

ところが、右派系政党はけっこう主張がバラバラで連合内部の対立が絶えず、いまいち結束がよくありませんでした。加えてベルルスコーニ自身が汚職容疑で起訴されるにいたって、政権はわずか半年で崩壊、ベルルスコーニは有罪判決を受けてしまいます。

ここで普通の政治家なら「退場」ですが、彼はあきらめません。1999年、ふたたびフォルツァ・イタリアの党首となった彼は、政権を握っていた左派系政党連合「オリーブの木」に対抗、右派系に中道系を加えた連合「自由の家」を結成、今年6月の総選挙で首相の座を奪い返してしまいました。

転落もしながら、しかし登りつめる時は実にあざやか。そこにはやはり自らが支配するメディアの力が大きいのでしょう。今回はサミットの議長役。小泉首相以上のパフォーマンスをみせてくれるかもしれません。

2ページ→ 【カナダ/クレティエン首相】
「聖域なき構造改革」の先輩、小泉首相の師匠となるか?

3ページ→ 【フランス/シラク大統領】
不思議なコアビタシオン状態に終止符を打てるか?
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