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主婦の発明 初恋ダイエットスリッパ

概に商品化を果たし年商7億円にまで成長している、ダイエットスリッパである。一見小さなスリッパにしか見えないこの発明品には、実はものすごい女心が隠されている。さてその”女心”とは?

執筆者:木村 勝己

主婦の発明家シリーズの第3弾である。この発明品も日常的身近な問題に取り組んでおり、試作の数の多さを含め、ここにも発明への思い入れと、利用者に対する深い愛情が大きく感じられる。

▼主婦の発明家シリーズのパート1、パート2はこちらから!
パート1(主婦発明の横綱!洗濯糸くず取り)
パート2(主婦の行動力だ!地下鉄マップ)

今回は概に商品化を果たし、自らが興した会社で、ピーク時は年商7億円までに成長した主婦の発明品の紹介である。

《初恋ダイエットスリッパ》
これもユニークな商品だ。スリッパを短くしただけの印象であり、初めは何に対して特許を出願したのか?と思ったが、すぐに理解できた。これは物のデザインに対して権利が与えられる、意匠で出願していたのだ。

ダイエットグッズは色々考案されているが、これはシンプルだ。スリッパの踵の部分をカットした、ミニスリッパであるが、この長さや角度を決めるのに、多くの試作を繰り返したそうだ。最後には押し入れがスリッパでいっぱいになったそうである。


≪初恋ダイエットスリッパ=写真提供:キロロドットコム≫

発明者は主婦の中澤さんである。家事と姑の介護によるストレスから、体重が増えてしまった彼女はダイエットを考えたそうだ。しかし外でスポーツをする時間は当然なかった。これで諦らめてしまっては発明はないのであるが、彼女は家事をしながらダイエットする方法はないかと色々考えたのだ。

体操部出身者である彼女は、家事の最中につま先立ちをすることを始めた。つま先立ちをすることは、足首を細くしてふくらはぎの筋肉を鍛えることができるからである。これは背筋が伸びて気持が良いのであるが、長時間続けるのは無理であった。

そこで閃いたのが踵の無い短いスリッパである。さっそく市販のスリッパに鋏を入れ履いてみた。なかなか良い!ミニスリッパの誕生である。その後履き心地を追求して長さや素材を変えて試作を繰り返した。

最初はご主人の経営するガラス工房で試験販売したそうである。反響が凄く、新聞にも取り上げられると多くの販売申し出があったそうだ。

その後、彼女は自分で「アイデア工房 阿蘇山」の会社を起こした。そして健康でスマートになりたいと願う女性の素直な気持にマッチしたのだろう、12年間で350万足、40億円の 売上を計上したというから凄い!

ちょとした生活の知恵であったが、数々の試作品はほんとに使いやすい、そしてダイエット効果のある商品に成長したようだ。
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