話し方・伝え方/褒め方・叱り方、謝り方・頼み方

褒め方・叱り方

誰でも叱られるという経験をしていても、いざ叱るとなると難しいもの。また褒めることも同じで、上手にやるのは大変です。そこで今回は、褒め方・叱り方についてご紹介します。

執筆者:立川 亜美

誰でも叱られるという経験があります。それは親だったり先生だったり、社会に出てからは上司だったり。しかし逆の立場として叱るとなると難しいものです。また気持ちよく褒められた体験があってこそ、うまく褒められるものですが、私たちはあまり上手に褒められたことがありません。そこで今回は、褒め方・叱り方についてご紹介します。

褒める・叱るは何のためか

褒める
褒めるときは、通りすがりにさりげなくしてもいいですし、きちんと時間を作ってあげてもどちらでもOK
褒めること・叱ることは、どんな意味を持っているのでしょう。それは、相手の行為を評価したり、間違いを正したりする方法であり、また相手の成長を促す目的もあります。これを意識せず褒めても叱っても、本来の意図とは違ってきます。褒めることも叱ることも、その結果、相手にやる気を出させるためにする行為です。

信頼関係が前提となる

あなたは誰に褒められたときが嬉しかったでしょうか? 誰に叱られたとき素直に聞くことができたでしょうか? 思い返してみるとわかりますが、あの人だと嬉しくなかった、腹が立ったということがあるはずです。

褒めるにしても、叱るにしても、相手との人間関係が重要な要素になります。好意を持っていない人や尊敬していない人から褒められても、相手の心には響きません。反対に、この人が叱ってくれるのは自分のためだと、素直に話を聞いてくれる場合もあります。褒める立場・叱る立場になったとしたら、日頃から相手とコミュニケーションをきちんと取っておくことが大切です。誰から言われたかで、その言葉がどのように届くか違ってくるからです。

効果的な褒め方とは

褒める言葉も相手との付き合いしだい。褒める相手をよく理解せずにしても、褒めるポイントがずれてしまいます。言われた方も「無理に言っているな」とか「本当にそう思っているのかな」と嬉しくありません。相手をよく観察して、褒めるポイントを外さないように。

たとえば部下に仕事の成果について褒めようとしたときには、具体的に努力したと思うところを見つけて褒めてあげます。「ああ、そこまで見ていてくれたのか」と、部下は褒めてもらったことで一層やる気がでるはずです。

自分の素直な言葉をそのまま伝えた方が、相手の心に響きます。色々と説明をつけたりするとまどろっこしくなり、何が言いたいのかわかりません。部下に素直に言葉をかけられない人も少なくありませんが、自分の言葉で褒めることこそ相手に伝わるものです。

効果的な叱り方とは

叱る
叱るときには、相手のペースやトーンに合わせて話しましょう
ただ感情的に話しているだけでは、叱るではなく怒るになってしまいます。叱られている事柄ではなく、相手が「今、虫の居所が悪いのかな」などと感情的になっているあなたに意識が向いてしまいます。これでは、どんなに叱っても効果がなく、改善して行動するようにはなりません。怒りを押さえて、冷静に話すようにしましょう。

何度も同じことをくどくどと繰り返すのもやめましょう。相手は追い詰められてしまい、どんどんやる気をなくします。反省しなければならない行為だけを叱るようにして、相手の存在そのものまで否定するようにしないように気をつけてください。

誰でも叱られるのは気持ちがいいものではありません。相手にもっと成長してもらいたいという意図が伝わるように話してください。必ず最後には相手が「頑張ろう!」とやる気を見せてくれるように。叱ったあとには、ねぎらいの言葉を添えたり相手のいいところを褒めてあげたりするといいでしょう。叱られたことも、意味があったと前向きに考えてくれます。

日頃、相手との関係を円滑にしておくと、褒めるときは一言でもよくなります。多くを語らず「よかったよ!」と、一言だけでも相手は嬉しく感じるものです。また、叱られたとしても「すみませんでした。わかりました」とあなたの言葉を素直に聞いてくれます。さりげない日常のコミュニケーションこそが、いざという時に効果をもたらすのです。
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