ビジネスマナー/接客・接待・訪問のマナー

お客様を迎える時の心遣い…来客対応のビジネスマナー

お客様を迎える時の心遣いの大切さ、来客応対のビジネスマナーをご紹介します。お客様がいらした時に感じの良い応対はできていますか? 笑顔、正しい言葉づかい、振る舞いで、お客様をお迎えしているでしょうか。応接室や会議室へのご案内も含めて、来客時の応対をみてみましょう。

美月 あきこ

執筆者:美月 あきこ

ビジネスマナーガイド

来客応対の基本マナー

来客応対の基本マナー


お客様が訪問された時、自信を持って応対できていますか? 自分が担当者や受付係ではないから、あるいは忙しいからなどの理由で、受付や入り口に立っているお客様を待たせてしまうなんてことはありませんか?受付けでの印象は、会社全体のイメージも左右してしまいます。

ビジネスマナーは、相手への思いやりだということを念頭において、今回は、来客時の応対マナーをご紹介しましょう。
   

来客応対の基本マナーは笑顔で「いらっしゃいませ」

来客に気づいたら素早く、笑顔で「いらっしゃいませ」と声をかけます。受付がない場合は、来客に気づいた人がすぐに笑顔で立ち上がって、応対します。

・失礼ですが、お約束でございますか
・恐れ入りますが、どのようなご用件でしょうか
・恐れ入りますが、お名前をうかがってもよろしいですか

と、声をかけ、相手の会社名と名前、約束(アポイントメント:以下、アポと省略)の有無、誰と約束をしているのかなどを確認します。先方が名乗ったら、「お世話になっております。お待ちしておりました」の一言を添えましょう。この時、くれぐれも「アポは、ありますか?」などと省略形を使わないように注意しましょう。

そして担当者に連絡を入れ、お客様を応接室や会議室などに案内します。担当者が迎えに来る場合は、「すぐに○○が参りますので、(椅子があれば)こちらにおかけになってお待ちください」と伝えます。
 

来客応対でアポなしでの来訪者のマナー

アポなしでのお客様にも誠意を持って。ただし、どのように応対するかは、担当者に確認すること

アポなしでのお客様にも誠意を持って。ただし、どのように応対するかは、担当者に確認すること


時には、急にアポなしで来社する訪問者もいます。そんな場合は、自分で「アポなし=会わない」と決め付けたりせずに、必ず担当者に相手の社名と名前、用件を伝え、どうすればいいのか確認しましょう。

また状況によっては、担当者が居留守を使いたいときもあるので、担当者がオフィスにいるのか、不在にしているのかなどは相手に伝えずに、担当者の都合を確認しましょう。断るように言われたら、どのように断ればいいのかも確認しましょう。もしも、お断りする場合であっても、むげに扱わないようにします。たとえセールス目的の来訪者であっても、あくまでも丁寧な言葉遣いではっきりと伝えましょう。

では、次にお客様を応接室や打ち合わせ場所に、ご案内する際のマナーについて、ご紹介します。
 

来客応対で部屋にお通しする際のマナー

受付から応接室まで距離がある場合、お客様を先導してお連れしますが、この時、気をつけたいポイントがたくさんあります。

 ■廊下では、歩調を合わせて
廊下を歩く際は、「こちらです」と、行き先を指先を揃えた手で示します。また、お客様の右斜め2~3歩前を歩くようにします。この時、1人でスタスタ進んでいかないように、お客様の歩調にあわせるようにしましょう。

階段では、お客様が常に上
階段を使う際、お客様が常に高い位置になるようにします。しかしお客様の後ろを案内の者が歩くという形は、お客様を不安にさせてしまうかもしれないので、「お足元にご注意ください。お先に失礼します」と断り、先に昇るようにしましょう。下りの場合は、先に立っても、お客様より下になるので、あなたが先でも断る必要はありません。

エレベーターの中でも、立つ位置に注意
エレベーターが到着したら、ドアが閉まらないように、お客様に先に乗っていただきます。もしエレベーターの中に誰もいなければ、自分が先に乗って操作ボタンの前に立ちます。エレベーターにも、上座と下座があり、上座は左奥です。操作ボタンの前に立つ際は、お客様にお尻を向けないように注意しましょう。降りるときは、ドアが閉まらないようにドアに手をかけ、お客様を先に降ろします。

部屋に入る時の順番
お客様をお通しする部屋に着いたら、中に誰もいないとわかっていても、念のため、必ず2回ノックしてから、ドアを開けます。押して開けるドアの場合は、自分が先に入り、お客様に後から入ってもらいます。手前に引いて開けるドアの場合は、先にお客様を通してから、自分が後で入ります。

椅子をおすすめし、退室する
手で応接セットの方向を示して、「担当の者がすぐに参りますので、どうぞ、おかけになってお待ちください」と言います。退室する時は、ドアの前でお客様の方を向き、「失礼いたします」と一礼して部屋を出ます。

座る場所には、「上座」と「下座」があります。お客様に座っていただくのは、入り口から一番遠い場所にある椅子やソファになります。

お客様がお帰りになる時のお見送り
どこまで送るかは、その人との関係やあなたの時間の都合次第ですが、原則としては、玄関先まで見送ります。オフィスがビルの上層フロアにあるなら、エレベーターの前で「ここで、失礼します」と言って、お客様が乗り込んだのを確認して、エレベーターのドアが閉まりきるまでお辞儀をして、見送ります。

建物によってエントランスまでが複雑でわかりにくい場合は、「玄関まで、お送りします」と言って、玄関まで見送ります。玄関に着いたら「失礼します」と言って、頭を下げて見送るようにします。重要なお客様が車でいらしていた場合は、その方の車までお送りし、車が見えなくなるまで、お辞儀をし続けます。
 

来客応対の緊急マナー……どうする!? こんな時

応接室が片付いていない!
前に使った人がきれいにしておくべきなのですが、会議室を開けたら、前の会議 で使ったままということが時々あります。こんな場合は、すぐにほかの応接室を探してください。空いていない場合は、お客様に「申し訳ありません、少々お待ちください」と断り、先に部屋に入って、ささっと片付けてしまいましょう。

お土産を頂いたら
お土産をいただいた場合は、「ご丁寧にありがとうございます」と両手で丁寧に受け取り、お礼を言います。そして、担当者からもお礼が言えるように、できれば、担当者がお客様に会う前に、その旨を報告しておきましょう。

このようにお客様がいらした時に気をつけなければならないことがたくさんあります。来客時にスマートに応対できるように基本のマナーを覚えておきましょう。

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