マネジャーという仕事の可能性
—— マネジャーという職業は大変な仕事のようですが、それだけ、多くのものを得ることができるのですね。経営者もマネジャーも、素晴らしい報酬を得ることのできる職業です。なぜならば、部下や社員の人生に責任を持つとき、我々は、人間として最も成長できるからです。では、「人間としての成長」とは何か。それは、「心の世界」を感じられるようになることです。経営者やマネジャーとしての修練を積んでいくと、例えば、廊下で部下とすれ違うだけで、また、オフィスで社員の働く姿を見るだけで、自然に部下や社員の
心を感じることができるようになります。
いまは、何でもマニュアル化する時代ですが、
マニュアル化できないのが人間の心への処し方です。部下や社員は、一人ひとり似ているようでまったく違った個性を持っています。そして、部下や社員は、ただ一度かぎりのかけがえのない人生を生きています。そのことに深い尊敬の念を持ち、部下や社員に接することができるかどうか。経営者やマネジャーには、それが問われます。だから「楽をしたい」という人は、マネジメントの道を歩むべきではないでしょう。それは、最も重い荷物を背負う仕事ですが、最も素晴らしい報酬を得られる仕事なのです。
—— どうもありがとうございました。二回にわたってお伝えした田坂広志さんのインタビューはいかがだったでしょうか? インタビューでは、もっと多くの興味深い話を伺いましたが、紙面の都合で、その一部に絞って紹介しました。さらに、より詳しく学びたい方は、田坂さんの著作をぜひお読みください。ビジネスのハウツー本が溢れるなかで、田坂さんの本は、ビジネスとマネジメントの深みを見つめ、それを誰にもわかりやすい言葉で語りかけてくれます。
【関連書籍】
■『これから働き方はどう変わるのか-すべての人々が「社会起業家」となる時代』 (田坂広志著 ダイヤモンド社)■『仕事の思想—なぜ我々は働くのか』 (田坂広志著 PHP研究所)■『仕事の報酬とは何か』 (田坂広志著 PHP研究所)■『深き思索 静かな気づき—「仕事の思想」を高める25の物語』 (田坂広志著 PHP研究所)■『なぜマネジメントが壁に突き当たるのか-成長するマネジャー12の心得』 (田坂広志著 東洋経済新報社)【関連サイト】
■田坂広志さんのサイト「未来からの風」■「相手を“モノ扱い”していませんか? 繁忙期に食らいがちなしっぺ返し」■「「上司の悩み」解決シリーズ 4 部下が動きません」■「部下を“モノ”扱いする本は避けましょう! コーチング本を選ぶ3つの視点」■「コーチングの基本を知ろう! 5 部下は輝くスター(星)なんです」■「部下の目標を明確にし、やる気にする」