文章:宇都出 雅巳(All About「コーチング・マネジメント」旧ガイド)
田坂広志さんへのインタビューの第二回です。前回は、現代のマネジメントに潜んでいる「相手を自分の思うとおりに動かしたい」という「操作主義」や、収益のために仕事や人が「手段」となっていることの問題点について、語っていただきました。今回は「働く」ということの意味、マネジャーが歩むべき道について、話を伺います。第一回は
こちら。
《CONTENTS》
●「なぜ働くのか」を自分に問いかける(1P目)●「収入」・「地位」はゼロサムの報酬(1P目)●「目に見えない三つの報酬」とは?(2P目)●「目に見えない報酬」の可能性は無限(2P目)●マネジャーという仕事の可能性(3P目)「なぜ働くのか」を自分に問いかける
—— こんな時代の中で、現場のマネジャーは、どうすればよいのでしょう? 田坂さんは、どんなメッセージを彼ら・彼女らに伝えたいですか?田坂:まずは、マネジャーが自らに対して
「なぜ働くのか」を問いかけていただきたい。「自分はなぜ一生懸命に働いているのか」。それを自分自身に深く問いかけてみてください。
おそらく、多くの人の心にまず浮かぶのは、
「お金を稼ぐため」という答えでしょう。確かに、「給料」や「年収」などの経済的報酬は、自分や家族の生活を支えるために大切なものです。また、
「昇進するため」「出世するため」と答える人もいるでしょう。この「役職」や「地位」というものも、確かに、働くことの報酬です。
「収入」・「地位」はゼロサムの報酬
田坂:確かに、この二つの報酬は「目に見える報酬」であり、わかりやすいものです。しかし、これらはいずれも
「ゼロサム」の報酬です。すなわち、誰かがその報酬を得ると、誰かの報酬が減ります。かつての高度成長の時代には、「収入」も「地位」も、誰もが得ることのできる「プラスサム」の報酬でしたが、高度成長が終わったいま、これらは「ゼロサム」の報酬になってしまいました。
だから、マネジャーの皆さんには、さらに深く「なぜ働くのか」を自らに問うていただきたいのです。そうすれば、仕事には、いま挙げた「収入」・「地位」といった「目に見える報酬」だけでなく、「目に見えない報酬」があることに気がつくでしょう。
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