昨年のリーマン・ショック以来、マンション市場には逆風が吹き荒れているといわれています。秋以降の市況に変化の兆しは表れているのでしょうか。供給と価格の現状と見通しを検証してみましょう。
供給の低迷は今後もしばらく続きそう
 |
| 首都圏での今年の供給は4万個割れが確実(写真と本文とは関係ありません) |
不動産経済研究所のデータによると、首都圏では今年1~6月のマンション販売戸数が1万5,898戸で、前年同期比26.0%の減少となりました。供給はこのところ減少傾向が続いており、昨年は前年比28.3%減の4万3,733戸でした。今年はさらに戸数が落ち込むことが確実となっており、同社では2009年の販売戸数を約3.5万戸と予測しています。
供給の先行指標となるマンションの着工戸数(国土交通省調べ)も、今年に入って前年比2ケタの減少が続いています。減少幅は月を追うごとに大きくなっており、6月は前年比71.7%減の2,109戸でした。今後しばらくは供給の低迷が続くものとみられます。
売れ行きは今年に入って回復の兆しも
新規供給が減少している要因としては、不景気でマンション需要が冷え込み、売主のデベロッパーが在庫物件の販売に力を入れざるを得ない事情が挙げられます。同社によると今年7月末時点の販売在庫数は7,446戸で、2008年末時点の1万2,427戸と比べて約4割減っていますが、これは新規供給が抑制されていることによるところが大きいでしょう。完成在庫数は7月末時点で4,857戸と、昨年末時点(6,064戸)から約2割しか減っていません。販売の長期化で完成間近に売り出し始める物件が増え、売れ残るとすぐに完成在庫になってしまうケースが少なくないことが、戸数がなかなか減らない理由です。
ただ、明るい兆しがないわけではありません。売れ行きを示す同社の契約率データによると、今年1~6月の平均は68.6%で前年同期比4.7ポイントアップしました。5月以降は3カ月連続で70%を超えています。供給が絞り込まれた結果でもありますが、大型の住宅ローン減税や大幅な値引きの甲斐もあって、消費者の購入意欲が徐々に高まりつつあることも確かなようです。
近畿圏では供給・売れ行きとも低迷が続く
近畿圏も同様に供給が落ち込んでいます。今年1~6月の販売戸数は前年同期比14.3%減の1万157戸で、年間では前年比7.7%減の約2万1,000戸にとどまる見通しです(不動産経済研究所調べ)。着工戸数は昨年12月から前年比2ケタの減少が続いており、6月は70.7%減の650戸にとどまりました。
7月末時点の近畿圏の販売在庫数は5,569戸で、2008年末時点(5,836戸)からさほど減っていません。同じく完成在庫数は3,181戸と、昨年末時点(2,602戸)より増えています。1~6月の平均契約率は前年同期比2.7ポイントダウンし、58.1%となかなか回復の兆しは見えていません。
気になる価格の動向は次ページで。