住宅ローン

更新日:2009年11月30日

どうなる? 家を買うときの贈与税特例

家を買うときの親からの援助に対する贈与税特例をめぐって、新政権下での議論が続いています。国交省の要望どおり大幅減税になるのか、それとも財務省が拒むのか。買うときの資金計画への影響もみてみましょう。

家を買うときの親からの援助に対する贈与税特例をめぐって、新政権下での議論が続いています。国交省の要望どおり大幅減税になるのか、それとも財務省が拒むのか。買うときの資金計画への影響もみてみましょう。

財務省VS各省庁の攻防が続く

贈与税の非課税枠が拡大されれば住宅市場は活気づく?
贈与税の非課税枠が拡大されれば住宅市場は活気づく?
来る12月11日にまとまる予定の2010年度税制改正大綱に向けて、政府税制調査会の議論が大詰めを迎えています。新政権で初の税制改正ということで、国の財布を握る財務省側は租税特別措置など減税や特例の大幅見直しで税収減を少しでも取り戻そうと躍起になっているかのようです。これに対し、各省庁とそれを代表する政務三役側は、景気対策として大型減税を打ち出すケースが多く、財務省との攻防が熱を帯びつつあります。前政権時代の党税調から現政権下での政府税調へと舞台は変わっても、財務省VS各省庁という基本的な図式はさほど変わらないようです。

住宅税制を管轄する国土交通省でも、今回は住宅取得資金の贈与税について非課税枠を500万円から2,000万円に大幅に拡大する案を税制改正要望に盛り込み、税調論議に臨みました。しかし財務省による査定は「認められない」との判断です。その後も議論が続いていますが、今のところ査定は覆っておらず、国交省側は劣勢に立たされています。

現行の暦年課税では610万円まで非課税

非課税枠の拡大といっても具体的な中身が分かりにくいかもしれません。まず現行の税制から説明していきましょう。住宅取得時の贈与税の非課税枠には2種類あります。一つは父母や祖父母など直系尊属からの住宅取得資金の贈与について、500万円まで非課税とする「住宅特例」です。この特例は今年6月の経済対策で導入されたばかりで、2009年1月1日から2010年12月31日までの期限内に贈与を受けることが条件です。

贈与税の課税は一般的に、贈与を受けた翌年に一度だけ申告すれば手続きが完了するので「暦年課税」とも呼ばれています。この暦年課税では住宅資金に限らずだれでも利用できる110万円の基礎控除が適用されるので、500万円の住宅特例と合わせると610万円まで贈与税がかかりません。

最大4,000万円が非課税となる相続時精算課税

一方、暦年課税とは別建てで用意されているのが「相続時精算課税」と呼ばれる制度です。この制度では65歳以上の特定の一人の父母(祖父母は対象外)からの贈与について、使途を問わず2,500万円まで贈与税が非課税となり、2,500万円を超える額について一律20%の贈与税がかかります。ただし制度の名前のとおり、贈与した父母が死亡して相続が発生したときに、贈与を受けた額が相続財産に加算されて相続税が計算されるのです。その結果、贈与時に納めた贈与税額より相続税額のほうが大きければ差額分を納税して精算しなければなりません。

この相続時精算課税制度にも住宅取得資金の特例があります。特例を使うと贈与税非課税枠が1,000万円上乗せされて3,500万円となり、父母の年齢制限もなくなります。ただし特例の適用期限は今年12月31日の贈与までです。なお、相続時精算課税では500万円の住宅特例と併用もできるので(110万円の基礎控除は併用不可)、合わせて最大で4,000万円まで贈与税がかかりません。

贈与税が改正されるとどうなるか、答えは次ページで

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大森 広司

ベテラン住宅ライターが、マンション選びからお金の話まで分かりやすく解説。

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