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耐震住宅・住宅工法
更新日:2005年03月14日
耐震性の高い家なら大地震を乗り切れるのでしょうか。家の中の安全性のカギを握るのは、実は家具とブレーカー。被災者の方の話をもとに説明しましょう。
これまで「阪神淡路大震災に克った家(1)」、「阪神淡路大震災に克った家(2)」と続けて、兵庫県西宮市にお住まいのNさんのお宅を中心にレポートしてきました。阪神大震災を無傷に近い形で(壁紙に数カ所の傷)だけでのりきったNさんのお宅でしたが、それでは、震災直後から何ごともなく、らくらくと過ごせたのかというと、やはりそうではありませんでした。
地震対策というと、建物の躯体の強度などに目がいきがちですが、今回は、室内に潜む意外な危険性や、被災後の生活を想定とした地震対策に目を向けていきたいと思います。
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| Nさん宅では、1階に3カ所、2階に2カ所、壁のクロスに小さな亀裂(写真で白く補修してある部分)が入りました。しかし、室内の被害らしい被害はこのくらいですんだのだとか |
Nさんには二人の息子さんがいらっしゃいます。1995年のお正月、阪神大震災が起こる2週間程前のこと、ご長男が帰省されたとき、弟さんの寝ている部屋を見て、なにげなく「ココに寝ていて地震が起こったら即死やワ」とおっしゃったのだとか。なぜなら、弟さんの部屋には、本がぎっしりと入った大きな本箱が2つあったからです。そのふたつの本箱が置かれていたのは、まさに弟さんの枕元でした。
実際、そのふたつの本箱は、震災で倒れてしまったそうですが、弟さんは震災のその日、スキーに行っていて不在でした。震災の直後、心配されたご長男は何度もご実家に電話をかけたものの、電話が長いこと通じなかったため、「最悪のこと」を覚悟していたそう。Nさんの奥さまも「次男がいつものように部屋で寝ていたら、死ぬか、死ななくても首の骨折るとかで、重症だったと思う」とおっしゃっていました。
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| Nさん宅の食器棚。地震の揺れで食器棚が倒れないように天井と家具の間に箱を詰めてあります |
「このあたりでも、たくさんの人が家具など、倒れてきたものの下敷きになって死んでいる。出血した人のほとんどは割れたガラスなどでケガをしていた。ケガしただけでも大変ですよ。治療する病院が被災によって、機能がマヒしているから、大出血してもとめられない。風呂も何もないから、衛生状態が悪いでしょ。感染症をおこす可能性もあるんですよ」とNさんは当時を振り返り、ケガでも大きな危険があることを教えてくれました。
「家が大丈夫でもいろいろなものが倒れてきたら、それで頭を打ってそれっきりということもあります。あの当時は杖をついて歩いている人が多かったですね。たぶん足や腰を強打したというような人が多かったでしょう。頑丈な家を建てても、タンスとかテレビとかの大きな家具のそばでは寝ないでほしい」と、Nさんの奥さまもおっしゃいます。
新潟県中越地震など一昨年から昨年にかけて国内で発生した3つの大地震(*)の被災地の住民500人を対象に、読売新聞社が行った聞き取り調査では、震度6級の揺れに見舞われた地域では、8割の家庭で家具類が室内に激しく散乱し、ケガの原因の約6割を占めたことがわかっています。 阪神大震災の教訓である「家具の固定」は、意外と実行されていないのです。
家具の固定だけでなく、そのほかにも大きな危険がありました。それについては次ページで。
*3つの地震とは、2003年7月の宮城県北部地震、2004年9月の紀伊半島沖地震、2004年10月の新潟県中越地震のこと北欧好きが、愛用の北欧モノを見せ合うコミュニティ