提供:全国商工会連合会

東北のご当地グルメ旅

更新日:2010年10月06日

【岩手】カッパ発見!?民話の里・遠野、語り部との旅

今年、「遠野物語」(著・柳田國男)創刊100年を迎える岩手県遠野市。地元の語り部さんと一緒に物語や民話の舞台を訪ね、市民が愛してやまないジンギスカンなど郷土の味を堪能する秋旅に出かけてきました。

「民話のふるさと」と名高い岩手県遠野市。そのルーツとなるのが、柳田國男(1875~1962)の名著『遠野物語』。2010年で発刊100年を迎え、改めて遠野に注目が集まっています。遠野市では、現在、「昔話」「歴史」「食」など5つのジャンルの「語り部」が活躍中。ふるさとの魅力を伝える語り部さんと伝説の舞台を訪ね、ジンギスカンなど知られざる郷土の味を堪能する秋旅に出かけてきました。
ふるさと村

遠野ふるさと村にて。地元のシニアが中心になって「守り人(まぶりっと)」として常駐し、出迎えてくれる。この日出ていたのは竹細工がお得意という菊池仁吉さんと、藤田英子さん。ご近所同士と言うこともあって、和やかな雰囲気。曲がり家(東北の歴史的なかやぶき屋根民家)や直家ら7棟が移築され、時代劇などのロケ地としても有名。


<INDEX> 
P1…… 二人の出会いが生み出した遠野物語
P2…… 語り部さんと「遠野」を旅する
P3…… 名物はジンギスカン!遠野のうまいもの
P4…… 遠野で出会った人々と街角の風景


大学生の不思議な話が名作を生んだ?
柳田國男と佐々木喜善の出会い

遠野ふるさと観光ガイド

遠野ふるさと観光ガイド会長の細越澤史子さん。ガイドは1週間前までに要予約だが、2時間以内、10人以内なら1000円と格安

東京発の東北新幹線で盛岡のひとつ手前、新花巻駅で下車し、JR釜石線に乗り換え。宮沢賢治「銀河鉄道の夜」のモデルになったといわれるローカル線で、ディーゼルカーに揺られること1時間で遠野駅に到着。駅を出ると、のどかな街とカッパの像が目に入ってきます。
 
まずは遠野駅周辺を歩いてみましょう。今回は、「歴史」の語り部であり、遠野ふるさと観光ガイド会長の細越澤史子(ほそごえざわふみこ)さんに案内をお願いしました。

高善旅館

高善旅館の2階から見下ろしたいろりのある居間。神棚(左上)の下、5枚の切り紙飾りが珍しい。

とおの昔話村

とおの昔話村。柳田國男の銅像が建つ
高善旅館を移築した「柳翁宿」。柳田が滞在していた部屋も見学できる。入館310円

江戸時代、遠野南部氏が治めていたこの町は、明治時代になると内陸と釜石方面の海岸を結ぶ商業地として発展しました。明治41年(1908)、農商務省官僚であった柳田國男は、遠野出身の大学生・佐々木喜善(ささききぜん、1886~1933)と知り合います。喜善は、遠野に伝わる妖怪話や民間伝承などを柳田に話して聞かせたところ、柳田は強い関心を持ち、記録し始めました。実際に柳田が遠野を訪れたのは、翌年明治42年のこと。高善旅館に滞在し、各集落を回って祭りや史跡を見物し、喜善から民話や伝承を熱心に聞き取りました。その成果を一冊にまとめたのが『遠野物語』です。発刊は明治43年(1910)6月、今年で100年を迎えます。

遠野物語

『遠野物語』原稿(遠野市立博物館)

当時の民話、民間伝承、習俗などが詳細に記されており、後に日本民俗学の開祖と評価されるようになりました。柳田と喜善、二人の出会いが、名著を生み出したのです。

 


これだけ知ってると旅が楽しく
『遠野物語』きほんのき

カッパ淵

土淵町、常堅寺のカッパ淵。カッパがよく現れるという。遠野物語きっての人気スポット

序文と全119話からなる『遠野物語』。いくつかの有名な話だけでも事前に内容をつかんでおくと、民話の世界が楽しめます。

かっぱおじさん

カッパ淵の2代目まぶりっと(守り人)、運萬(うんまん)治男さん。農業の合間、ボランティアでカッパの様子を見に来ては観光客に案内している

■カッパ伝説…馬曳きの子が姥子淵に馬を冷やしに行き、遊んでいるすきに馬を水に引き込もうとしたカッパ。ところが、逆に馬に引きずられてカッパは馬小屋まで来てしまい、とらえられてしまう。村人はカッパを殺すか否か話し合ったが、今後村の馬にはいたずらをしないと約束して許された。類似の伝説は日本各地にあるが、遠野のカッパの顔は赤いといわれている。

 
オシラサマ

伝承園のオシラサマ。馬や人間の木彫りが何枚もの着物を重ねている

■オシラサマ貧しい農家の美しい娘が、家の飼い馬と恋に落ち、夫婦になってしまう。娘の父親は怒り、馬を桑の木に吊り下げて殺し、それを知った娘は馬の首にすがりつき泣いた。父親はさらに怒り、馬の首をはねる。その瞬間、娘が馬の首に飛び乗ると、そのまま天に昇り、オシラサマとなったのだという。現在、オシラサマは家や蚕の神様とされ、桑の木で彫った娘の顔と馬の頭で一対となっている。

そのほか、ざしきわらし、マヨヒガ(マヨイガ=迷い家)なども有名。

資料館

遠野市立博物館。遠野物語散策に役立つフィールド情報はここに集約されている。写真右は、遠野に古くから伝わるしし踊りの衣装

物語が119話で終わっているのは、120話目は遠野の人たちが作ってほしい、という柳田のメッセージが込められているのでは、と伝えられています。

2010年4月にリニューアルした遠野市立博物館で予習してから出かけるのがおすすめです。

遠野物語発刊百年特設サイトはこちら

参考資料:遠野物語(角川文庫)

→次は「語り部」とめぐる遠野
1 2 3 4

この記事の担当ガイド

写真

星 裕水

ほし・ひろみ。トラベルライター・編集者。国内・海外取材に飛び回る日々。旅行ガイドブック、ビジネス誌、…

続きを読む

ガイドからのお知らせ

このサイトは全国商工会連合会の提供で運営されています。