住宅雑誌のベテラン編集者が、住み手の目線から長く暮らせる家を探求します。
長期優良住宅・長く暮らせる家
更新日:2007年05月24日
長く暮らせる家の条件のひとつ、耐火性。住宅の防火対策は、自宅から出火した場合の耐火性と、延焼に耐える耐火性の両面から考える必要があります。今回は住宅の内側と外側の耐火性について考えます。
「耐火性」も長く暮らせる家の必須条件です。火事に強い家というのは、自宅から出火した場合の耐火性と、延焼に耐える耐火性の両面から考える必要があります。では、今回は住宅の内側と外側の耐火性について考えていきましょう。
住宅火災といったとき、みなさんは、どんなことを想像しますか? まず、最初に自分の家から出火することを考えるか、隣近所から出火して延焼するというケースを考えるか。身近な人に質問してみたところ、自分の家が出火元となることを想像する人のほうが多く見られました。
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| 出火元となった場合と、延焼との両面から考える必要があります。写真は防災と備災について多角的に考えられた「街かどへーベルハウス中野新橋」 |
自宅の室内を見回すと、床はフローリングやカーペット、畳などで、壁や天井はビニールクロスなどで仕上げられている部屋が多く、木製の家具を使っている家が多いのではないでしょうか。万が一、自宅から出火してしまった場合、燃えやすいものが周囲にたくさんあるということです。そして、木造であるとか、鉄骨、コンクリートであるといった構造の違いより、内装にいかに燃えやすいものがあるかということのほうが、火災の拡大には影響がありそうな気がします。
不幸にも、自宅から出火してしまった場合、まず大切なのは、できるだけ早く気がつくこと。そのための方法として、住宅用火災警報器の設置があげられます。早い段階で出火に気がつけば、被害も小さく、消火活動をする余裕がまだあるかもしれません。
住宅用の火災警報器は、平成18年6月(東京都は平成16年10月に義務化)に新築住宅に対して設置が義務化されました。既存住宅については、各自治体によって施行時期や設置基準の細かい規定が異なるものの、平成20年6月1日~平成23年6月1日までの間で、設置が義務化されることになっています。ちなみに東京都では、平成22年4月に既存住宅にも火災警報器の設置が義務化されます。
次に大切なことは、出火場所からの延焼を防ぐということ。先に説明したように室内には燃えやすいものがいっぱいです。出火した部屋からほかの部屋や、別の階に火が燃え広がるのを防いだり、燃え広がる時間を少しでも遅らせることができれば、屋外に逃げることができたり、場合によっては被害も最小限におさえることができるかもしれません。
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| 石膏ボードは火災のときに内部に含まれる水分を水蒸気として放出することで温度の上昇を遅らせ、延焼防止に効果を発揮します。へーベルハウスでは、部屋ごとの区画防火を考え、それぞれの部屋の壁を石膏ボードで囲んであるということです |
建物内の延焼を遅らせるには、部屋ごとや階層ごとの区画防火が必要です。
部屋ごとの区画防火とは、ひと部屋、ひと部屋を石膏ボードなど不燃材料で囲み、部屋ごとの防火を実現すること。階層ごとの区画防火とは、例えば、2階の床に耐火構造部材などを使用して、1階と2階の階層ごとに区画を分けて防火するということ。こうすることで、万が一自宅から出火しても、ほかの部屋や別の階などへ被害が拡大するのを防いだり、火が燃え広がるのを遅くすることで避難時間の確保につながります。
建物の内外装については建築基準法による防火上の基準が設けられています。防火仕様にするためには、表面の仕上げ材だけでなく、下地材についてもさまざまな規定があります。石膏ボードは建築基準法によって不燃材料に認定されていて、火災のときに熱にさらされると内部に含まれている水分が水蒸気として放出され、温度の上昇を遅らせる働きをします。また、室内に使う壁紙や断熱材については、耐火性以外の要素も重要。燃えたときに一酸化炭素や二酸化炭素の発生量が少なく、有毒ガスが発生しない素材のほうが、もしものときの安心感は大きいからです。
次のページでは、住宅の耐火性を外側から考えていきましょう。