照明・LED/照明・LED関連情報

旧古河庭園のライトアップ

散策が楽しい季節になってきました。久々の照明散歩シリーズも復活です。今回は、10月10日~26日まで「バラ展と光のライトアップ」をしていた旧古河庭園です。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

歴史を感じさせる洋館に、斜面に配された西洋庭園、そして低地に佇む日本庭園。そこには、都会の喧騒を忘れさせてくれる空間があります。

旧古河庭園は、もと明治の元勲・陸奥宗光の別邸でしたが、彼の次男が古河財閥の養子になった時、古河家の所有となりました。

洋館と洋風庭園の設計者は、イギリス人のジョサイア・コンドル博士(1852~1920)です。博士が自ら設計した建築には、このほか、旧岩崎邸、鹿鳴館、ニコライ堂などがあります。

石造りの洋館は、英国貴族の邸宅にならった古典様式で天然スレートぶきレンガ造りです。外観が赤味がかって感じるのは、外壁に伊豆真鶴産の安山岩を使用しているからだそうです。雨にぬれると、より落ち着いた色調になるとか。

庭園は、バラ園を中心に三段のゆるやかな階段状。左右対称の幾何学模様の刈込のフランス整形式庭園と石の欄干や石段・水盤などの立体的なイタリア露壇式庭園の技法を組み合わせたものとのことです。今にも、茂みからドレスを着た婦人が出てきそうな雰囲気です。

道なりに沿って降りていくと、そこには伝統的な日本庭園が広がっています。これは京都の庭師である小川治兵衛(1860~1933)の作庭です。彼もまた、平安神宮神苑、円山公園ほか数々の別荘庭園などを作庭し、その後の造園界に多大な貢献をした人でした。
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます