インテリアコーディネート/インテリアコーディネートの基本

インテリア関係の資格は何がある? 仕事に役立つ資格の種類

インテリア関係の資格を持っていると、インテリア業界の仕事にも役立つことでしょう。インテリアコーディネイター以外にも関連のあるいくつもの資格や名称があります。これらの資格の種類や、仕事の違いなどを解説します。

菅野 民子

執筆者:菅野 民子

インテリアスタイル実例ガイド

インテリア関係の資格や仕事はこんなにある!

インテリアの仕事に役立つ資格とは?

インテリアの仕事に役立つ資格とは?

インテリアの仕事に役立つ資格について解説します。インテリア関係の仕事には、いくつもの資格や名称があります。なんという肩書を名乗るか、どんな範囲の仕事をするかは本人次第。

インテリアの仕事に資格は必須ではない部分もありますが、入り口にたどり着くためには、“資格がないよりもあった方がいい”という事になります。

実は、資格があるからと言って簡単にに仕事が出来るわけではありません。インテリア関係の資格とは、「インテリアの仕事がしたいので、こんなに勉強しました!」 と言う「インテリアの仕事に対する熱い想いの証をアピールする」 と考えてください。

キャリアを重ねることで、実力が培われます。持っていると就職活動がしやすかったり、周りに認めてもらいやすい資格はいくつかあります。

インテリアデザイナー、インテリアコーディネーター、インテリアプランナー、建築設計士などの受験資格に制限のない民間資格から、国家資格となる建築士まで、その資格はさまざまです。

【資格1】インテリアデザイナー
あらゆる空間を魅力的に演出する仕事

インテリアデザイン  by Kanno

インテリアデザイン  by Kanno


インテリアデザイナーとはインテリアに関連するデザインをする人の総称です。

住居、オフィス、店舗、ホテル、病院などさまざまの居住空間をデザインする空間デザイナーと、家具や照明器具などのプロダクトをデザインするプロダクトデザイナー、ファブリックやラグなどをデザインするテキスタイルデザイナーなどがあります。

日本ではそれぞれが分業となっていますが、海外で活躍しているインテリアデザイナーは、これら全てをデザインしています。

インテリアデザイナーになるには必要な資格試験はありません。学歴は必ずしも必要ではありませんが、大学や専門学校で専門知識を学んでから就職するのが一般的。また、知識だけでなく、感性を磨くことも大切になります。実力がつくまでには経験が必要です。

資格ではないのですが、公益社団法人日本インテリアデザイナー協会という、団体に入会すると、会員の特典として会員証の発行をしてもらえます。(職業的身分の証明に役立つ)。

他には経産省デザイナーデーターベースへの登録や文芸美術国民健康保険制度への加入など多くの利点があり、特にフリーで活躍するデザイナーには、入会をお勧めします。インテリア関連の仕事の実績があれば、誰でも入会できます。(書類審査と推薦人が必要)
   

【資格2】インテリアコーディネーター 
住空間にある商品のトータルアドバイスとコーディネート

インテリアコーディネートの例/Boutiuque Hotel Don Alfonso 1890

インテリアコーディネートの例/Boutiuque Hotel Don Alfonso 1890


インテリアコーディネーターは、主に住宅などのインテリアについての専門知識を生かしトータルコーディネートを行う仕事です。

壁紙やカーペットなどの内装材、家具、カーテンなどの窓まわり、照明器具、キッチンやバスルームなどの住宅設備等の幅広い商品知識を持ち、インテリア計画や商品選択のアドバイスを実施します。住宅メーカー、設計事務所、家具メーカー、インテリアショップなどで活躍できます。

インテリアコーディネーターの資格は、公益社団法人インテリア産業協会が認定する資格です。インテリアコーディネーター資格試験には、年齢、性別、学歴、職業、実務経験などをいっさい問いません。

インテリア業界で働いている人だけでなく、インテリアに興味のある学生や主婦の人も試験を受けているようです。独学で勉強して合格する人もいます。

一次試験は、インテリアに関する知識全般の筆記試験。二次試験は、論文とプレゼンテーションの試験になります。資格試験に合格した後、登録料を納付、登録手続きが完了すると協会認定のインテリアコーディネーターとして登録され、インテリアコーディネーター証が交付されます。

試験は、快適な住まいをつくるためのアドバイスですので、広範囲にわたり広く浅く、基本知識が求められますので、資格試験の勉強をすることで、業界や仕事の基礎知識が身に付くことも大きなメリットになります。インテリアコーディネイターの資格を得ることでプロフェッショナルとしての信頼度は高まります。
   

【資格3】インテリアプランナー 
商業施設・ホテルなどの内部空間を設計・工事監理をする仕事

ホテルのインテリアデザイン  by Kanno

ホテルのインテリアデザイン  by Kanno


インテリアプランナーの仕事は住宅、商業施設、オフィス、ホテル、病院、美術館、駅・空港など、あらゆる建築物の内部空間の企画から設計・積算・工事監理などが仕事の範囲になります。

インテリアコーディネーターとの違いは、コーディネーターは主に住宅のインテリア企画・販売業務が中心になりますが、インテリアプランナーは建築資格に基づいたインテリア設計のプロフェッショナルと言えます。インテリアコーディネーターの上級資格と言う人もいます。

公益財団法人建築技術教育普及センター独自の資格制度として実施しています。誰でも取れる資格ですが、建築の専門知識が要求されます。試験に合格し、登録をしなければ、インテリアプランナーの称号は使えません。

■インテリアプランナー資格制度が平成28年度から変更になりました
・試験資格:専門教育を受けていなくても、誰でも受験できます
・一次試験:学科試験(一級・二級・木造建築士は学科試験が免除)
・二次試験:設計製図試験(学科試験の合格者が受験できます)
・設計製図試験に合格し、所定の登録要件を満たす者は、登録を受けることにより<インテリアプランナー>の称号が付与されます
・アソシエイト・インテリアプランナーの資格が誕生(平成28年度より)
学科試験だけに合格しても、5年以内に登録を受けることによりアソシエイト・インテリアプランナー(准インテリアプランナー)の称号が付与されます
 

【資格4】建築士
建物の設計、工事監理、大規模な改装には建築士の資格必要

住宅プラン図  by kanno

住宅プラン図  by kanno


インテリアを設計したり、内装だけを変えたりする工事には建築士の資格は必要ありませんが、大規模な改装をするには建築士の資格が必要になります。

インテリア専門で仕事をするデザイナーでも必要に迫られて、建築士の資格を持つ人が多くなっています。一級建築士、二級建築士、木造建築士などの資格によって、建物の用途や構造(木造、鉄筋コンクリート造など)、大きさ・階数など業務範囲が決められています。

■建築士の受験資格
・建築士の資格には、一級建築士、二級建築士、木造建築士の3種類があります。大学や専門学校の建築科を卒業後、一定の実務経験を積むことで受験が可能です。
・国家試験である一級建築士は、建築・土木課を出ても最低2年の実務経験が必要となります。鉄筋コンクリートなどの大きな規模の設計することができる一級建築士を目指すのであれば、建築系の学科に進むことが近道です。
・しかし、木造住宅などの小さな規模の設計ができる二級建築士や木造建築士は学歴がなくても実務経験だけでも受験することができます。
   

【資格5】キッチンスペシャリスト
快適で使いやすいキッチン空間の提案・アドバイス

Y邸のオリジナルキッチン  by kanno

Y邸のオリジナルキッチン  by kanno


キッチンスペシャリストは、公益社団法人インテリア産業協会が認定する資格です。キッチン関連メーカーや販売店でキッチン空間を提案する仕事です。

ライフスタイルの変化とキッチン機能の高度化にともないキッチンの重要性が高まっています。設備機器、ガス、電気、水道などの防災安全対策や建築構造との取り合い、関連する法律などの専門知識が必要になっています。

キッチンスペシャリストの資格試験には、年齢、性別、学歴、職業、実務経験などをいっさい問いません。学科試験と実技試験があります。試験に合格した後、登録料を納付、登録手続きが完了すると協会認定のキッチンスペシャリストとして登録され、キッチンスペシャリスト証が交付されます。
   

【資格6】照明コンサルタント
照明計画の提案やコンサルティングをする仕事

照明/Milano Salone2017 Eyroluceより Artemideのブースから Photo by Kanno

照明/Milano Salone2017 Eyroluceより Artemideのブースから Photo by Kanno


生活に欠かせない「あかり」は、暮らしの中で重要な役割をはたしています。照明コンサルタントは、照明をその空間に合わせて様々な形・色・光の強さなど適材適所に配置、雰囲気作りや照明の演出などのアドバイスをするのが仕事です。

照明コンサルタントの資格は、照明関連の業務についている人たちだけでなく、照明に関心のある全ての人を対象にしている資格です。ハウジングメーカー、照明メーカー、照明のショールーム、建築設計事務所などで活躍をしています。

一般社団法人照明学会では、照明への理解を深めてもらうため通信教育「基礎講座」を行っています。基礎講座は照明に興味のある方なら、どなたでも受講できます。

カリキュラムに定めた科目が合格点に達すれば,修了したことを証明する「照明コンサルタント」の称号が与えられます。通信講座を受講することで、未経験者でも資格を取ることができますが、かなり専門的な通信講座です。
   

【資格7】マンションリフォームマネージャー 
マンションのリフォームを円滑に施工するための資格

マンション室内   Photo by Kanno

マンション室内   Photo by Kanno


マンションリフォームの需要が高まっています。一般住宅のリフォームと違って、住まいの建築知識だけでは治まらないマンション特有の問題がたくさんあります。管理組合ほか関係者間の調整をはかって、お客様のご要望をスムーズに実現する役割が、社会的に重要になってきています。公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターが認定する資格です。


学科試験と設計製図試験の両方に合格した方は、「マンションリフォームマネジャー」として認められ、マンション専有部分のリフォーム工事だけでなく、マンション大規模修繕、中古マンションの売買、インテリアデザイン、マンション管理等多様な業種において、活躍の場が広がっています。
   

【資格8】色彩検定/カラーコーディネーター
色彩の知識をインテリアに活かす

色彩表現

色彩表現


インテリアに必要な色彩は、感性だけによるものと見られがちですが、色彩学は意外にも理論的です。系統的に学ぶことにより、色の性質・特性など、色彩の知識を身につけることで、インテリアのビジネスシーンに活かすことができます。

デザイナー、スタイリスト、衣食住関連の商品の開発、建築・インテリアの企画、ディスプレーの演出などさまざまな分野でカラーコーディネートの知識と技術が役に立ちます。

公益社団法人色彩検定協会の色彩検定と東京商工会議所のカラーコーディネーター検定があります。どちらの検定も「色」の知識を問う検定試験です。試験内容、受験資格などには大きな差はありません。
 
この他にもインテリア関連の資格には、福祉住環境コーディネーター、窓装飾プランナーなどがあります。他にも、社会的にあまり認知されてない営利を目的とした紛らわしい資格がたくさんありますので、資格を取るときは注意してください!公的に認可された公益法人を目安にするといいと思います。

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(C)2017 Copy & Photo by Kanno
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