「見えるデザイン」から「見えないデザイン」へ
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| 受賞したミサワホームの外部ルーバーデザインシステム。シンプルな外観にナチュラルなアクセントを添える効果も |
最近の住宅業界では「見せるデザイン」だけでなく、環境配慮や「耐震性」「リフォーム」といった時代のニーズを取り込んだ「見えないデザイン」も問われる傾向にあります。
例えば、2006年度のグッドデザイン賞の一戸建て業界における受賞作品をみても、その傾向が強く表れています。今回は、一戸建ての中でもハウスメーカーに関する受賞作品をいくつか見ていきながら、そんな最近の戸建てトレンドを分析してみたいと思います。
住宅業界におけるグッドデザイン賞の意味
通称「Gマーク」でおなじみのグッドデザイン賞は、1957年に当時の通商産業省により創設された、日本唯一の総合的デザイン評価・推奨制度。単に形の美しさを競うだけでなく、最近では環境への配慮や製品の長寿命化、社会貢献度なども広い意味でのデザインとして評価の対象になっています。
特に、「○年度Gマーク受賞商品」としてPRできることもあって、毎年、受賞をめぐって各社で獲得競争が繰り広げられます。
ミサワホームがグッドデザイン賞を受賞するのは、なんと17年連続。同社の住宅デザイン性は毎年高く評価されていますが、2006年は同社の賃貸住宅では初となる「Belle Lead FORMAL」が受賞。景観に配慮した外観デザインが評価されました。
このほか、環境に配慮した「外部ルーバーデザインシステム」、制震システム「MGEO(エムジオ)」の受賞が注目されます。
ルーバー商品と制震装置が受賞した理由とは
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| 風と光は通しても、視線はシャットアウト。洗濯物も外からは見えません |
「外部ルーバーデザインシステム」は、ルーバーの形状により、採風を確保しつつ夏の日差しを遮り、冬の暖かい日差しを取り込む、住宅の外壁・外構部品。自然の光や風を最大限利用することで冷暖房などの光熱費を下げるほか、外部からの視線をほどよく遮り、従来のシャッターや面格子とは異なる新しい防犯部品としても注目されています。
このような木格子を多用した住宅は、最近、多くのメーカーで見られます。塀やバルコニーをコンクリート一面で隠すのでなく、木格子にすることで、外部からの視線をほどよく遮りながらも街とつながり、通風も確保するというもの。また、同じような木ルーバー窓を天井近くや足元に通気窓として設けることで、採光・通風性が高まり、夏のエアコン稼動を減らして省エネに貢献したりするもの(ミサワホームでは「エコ微気候デザイン」と打ち出している)が増えています。
こうした「心地よさ」は、カタログなどで説明するよりも、実際に体感してもらうのが一番のよう。このルーバーシステムを採用した住宅商品が発表されたのは、2006年8月の猛暑のさなか。見学会場の最上階にあるため、最も暑いはずの子供部屋を撮影していたテレビ関係者からは、口々に「外よりも家の中のほうが涼しいですね」という感想がもれたと言います。
日本の伝統住宅にあった「よしず」「簾(すだれ)」「欄間(らんま)」という考え方の復活が、昨今の「和」ブームとあいまって、デザイン的にも現代のシンプルモダン住宅のアクセントとなり、若年層をはじめ幅広い年代層に受け入れられているようです。
次ページでは、デザインとして評価された耐震性や耐力性についてご紹介します。