注文住宅/女性視点の家づくり

不況で増加!共働きの家事減らす家(上)

子育て主婦の1日の家事時間は6~7時間…家事時間を削減できる「家事ラク住宅」は女性にとって最重要課題! 最近は「積極的に主婦を助けてくれる家」なるものも登場。最新家事ラク住宅動向を紹介します。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド

不況による共働き急増で必死課題に

ワーキングウーマン
不況によるご主人の減収を補うため、働き出す主婦や母親が増加……
昨今の不況やご主人の収入低下により共働き夫婦が急増している昨今。平日は夜の1~2時間しか家事ができず、山のように溜まった家事はせっかくの週末を潰して……という悩みも多いのではないでしょうか。

実はガイドもその一人。子供を小学校の学童クラブに預け、仕事から超特急で夜6時に迎えに行き、7~10時の夜間3時間で夕食づくり、洗濯、子供の宿題を見やって夕食を食べさせ、お風呂に入れさせ、片付け……まるで戦争状態。そうした生活を余儀なくされていることもあって、ガイドも注目しがちなのは「毎日の家事負担を減らしてくれる家」です。

子育て主婦の1日の家事時間は6~10時間

家事時間
平日における主婦と有職女性の家事の平均時間。炊事・洗濯・掃除の時間は10年前と変わっておらず、家事時間の削減に限界がある(NHK国民生活時間調査から作成)
ここで、主婦の家事時間の最新データをみてみましょう。2005年のNHK国民生活時間調査によると、男女平等が進んだ現在も、家事のほとんどは女性が負担し、「末子が幼児の専業主婦」の1日の家事時間は約10時間、「末子が幼児の有職主婦」でも約6時間以上。家事や育児、仕事に振り回され、自分のための時間を持つことは難しい実態が浮かび上がります。

このNHK国民生活時間調査の時系列変化をみると、1995・2000・2005年の5年ごとの家事の平均時間の変化をみても、炊事・掃除・洗濯の時間はほぼ下げ止まっており、これ以上の家事合理化が限界に近い状況。さらに夜間や深夜営業の店舗が増えた現代、外食や買い物、スポーツクラブ、子供の塾やお稽古ごとも都市を中心に生活時間帯の多様化や夜型化が増加。夫の残業や子供の塾が夜型化すると、それから始まる主婦の家事タイムも深夜化せざるをえません。

こうした社会情勢の中、旭化成ホームズの住生活総合研究所が興味深い産学共同調査「家族の生活時間~そのバランスとリズム~」を発表しました。ヘーベルハウスに住む25~45歳の既婚女性(長子が中学生以下)を対象に行ったもので、特に子育て期の生活時間バランスの大きな変化を指摘しています。
生活バランス
子育て主婦の生活バランスは、子の成長段階に応じて大きく変化する。特に出産直後~0歳児の頃は1日の半分が家事で追われる(データ強力:旭化成ホームズ)

例えば、核家族の専業主婦・パート世帯の場合、子供が生まれると家事・育児時間が急増し、幼児期には11時間以上。1日の約半分を家事・育児に追われていることに。小中学生になると、家事育児時間は7時間に減りますが、それでも1日の3分の1です。

夕食準備は子供・夫向けに1日2回!

夕食
平日の夕食が1回ですんでくれれば助かるのだが、現実は2回準備しなければならない…
また、子供が小さい世帯では夕食を19時以前に取る世帯が7割超。幼児期時代の夫は仕事でも働き盛りで帰りは21時以降となる世帯が半数を超えるため、夕食を分散してとる世帯は8割。小中学生になると夫の帰りはやや早くなるものの、今度は子供たちが塾や習い事で帰宅が遅くなり、結局、夕食の準備・後片付けは2回。その間、ずっとキッチンに立ち続けなければいけないのはやはり主婦なのです。

「夕方から夜遅くまでずっとキッチンに拘束される!」という主婦たちの嘆きが聞こえてきそう。そんな嘆きに、最近の家事ラク住宅はどんなふうに対応しているのでしょうか?
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