内装建材/内装建材の基礎知識・選び方

部屋を上手に仕切る建材アイテムとプランニングのコツ

広々としたオープンな間取りも開放的ですが、日常生活の中では、ある程度仕切りたい、という場合もあるものです。ここでは、空間を仕切る建材商品やプランニングのコツをまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

開放感と使い勝手を両立させる間仕切り建材も豊富に

リビング・ダイニング・キッチンをひとつの空間とするなど、オープンな間取りが多くみられるようになりました。限られたスペースを用途ごとに部屋として壁で区切ることなく、広々と使いたい、開放感のある空間を実現したい、と望む方も増えてきているのでしょう。その一方で、日常生活の中ではある程度の区切りを設けておきたい、冷暖房効率を考えて仕切ることができるようにしておきたい、という要望も聞かれます。

使い勝手に合わせて空間を上手に仕切るためには、間取りの工夫はもちろん、パーテーションや扉などの内装建材や建具を取り入れる方法も考えられます。最近では、各メーカーから、さまざまな建材商品がみられ、空間に合わせたプランニングもしやすいでしょう。

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リビングとダイニングに段差をつけ、固定ガラスパネルを設置することで、ひとつの空間ながらそれぞれの場が生まれる。 [VERITIS plus(ベリティス プラス)] パナソニック エコソリューションズ

仕切る目的を明確にすることが重要

空間を仕切ることを検討する際には、まず、その目的を明確にすること。「来客時にプライベートな空間は隠したいから」「兄弟のスペースを分けたいから」など、目的によって、間取りプランも、適する建材アイテムも異なるものです。

すべてを隠すことができるようにするのか、ちょっとした目隠しを設けるのか。また、扉を設けるのか、スクリーンを取り入れるのか、など仕切る方法は多種多様。漠然と、「仕切ることができると便利そう」では、結局使い勝手が悪く、中途半端なプランになってしまうこともあるかもしれません。空間や使い方に合わせた、仕切りプランを検討することが大切です。

1.間取りや空間のつくりで、それぞれのゾーンを明確にする

LDKは、広々としたひとつの空間としたいけれど、食事をするにもくつろぐにも、なんとなく落ち着かないのではないか、という不安がある場合は、それぞれのゾーンを明確にした空間のつくりとしておくのもいいでしょう。

たとえば、LとDKをL字型のプランとすることで視線の方向を変える、床や天井に段差を設けるなどして変化をつける、といった方法も。また、キッチンの天井を少し下げたり、ダイニングの床面をリビングよりも一段高くする、床材や壁材に異なる素材を用いてもいいでしょう。

2.格子やパーテーションなどの建材を用いて緩やかに仕切る

リビングとダイニングとの間に格子を取り入れることで、緩やかに空間を分け、落ち着いた雰囲気が生まれる。[日本の樹シリーズundefined格子間仕切]undefinedDAIKENundefinedhttp://www.daiken.jp/

リビングとダイニングとの間に格子を取り入れることで、緩やかに空間を分け、落ち着いた雰囲気が生まれる。[日本の樹シリーズ 格子間仕切] DAIKEN

最近、建材メーカーから多くみられるようになってきたアイテムのひとつが、空間を緩やかに仕切ることができるインテリア建材です。木材やアルミ建材などを直角に交差させたり、細い角材を等間隔に縦、もしくは横にのみ並べた格子を取り入れた、モダンでどこか和の雰囲気も持つデザインの建材も揃っています。

固定タイプだけでなく、可動(スライド)タイプもあり、格子のみのタイプ、格子などの間に樹脂板などを用いたタイプも。光を通すパネルを取り入れたものもみられます。適度に視線を遮りながら、気配を感じることができるのが特徴で、格子のみで構成されたものであれば、風を通すことも可能。用い方によっては、インテリア空間のアクセントにもなるでしょう。ダイニングとリビングスペースを分けたり、LDKの畳コーナーに設けたり、寝室の書斎コーナーなどにも適する建材です。

3.開閉できる間仕切扉を取り入れてフレキシブルに

生活シーンに合わせて、ある程度しっかりと仕切れるようにしたいのであれば、可動間仕切り扉を設置しておく方法もあります。ひとつの空間であるLDKを普段は開放して広々と用い、お客様がいらした時には扉を閉めリビングスペースを客間としたり。冷暖房が必要な季節には効率を高めるため閉めておく、というようなフレキシブルな使い方が可能でしょう。

可動間仕切りや間仕切り開閉壁、間仕切りスクリーン、間仕切りウォールなどメーカーや商品によって名称はさまざまですが、天井までの高さのあるタイプなど、開放感を高めたものも揃っています。間仕切り扉を壁の中に引き込むことのできるようにすれば、開けた時に扉の存在がなくなり、すっきりとした空間も実現するでしょう。最近の傾向としては、シンプルでモダンなデザインが多く、光を通す面材(ガラス・パネル)を用いたタイプも。壁のような圧迫感もなく、気配を感じることができるのがメリットです。
寝室と書斎コーナーの間に、スモーク調ガラスの天井までの間仕切り扉を設けることで、開放感を損なわず、空間を緩やかに仕切ることができる。undefined[VERITIS plus(ベリティス プラス)]undefinedパナソニックエコソリューションズundefinedhttps://sumai.panasonic.jp/

寝室と書斎コーナーの間に、スモーク調ガラスの天井までの間仕切り扉を設けることで、開放感を損なわず、空間を緩やかに仕切ることができる。 [VERITIS plus(ベリティス プラス)] パナソニック エコソリューションズ

4.室内窓を組み合わせて気配を感じる

室内の壁に設ける室内窓は、家の中に風や光を通すのはもちろんですが、窓の形状やプランニングによっては、空間を緩やかに仕切るアイテムとしても活躍するものです。室内窓には、採光も通風も可能な開閉できるタイプと光のみを取り込むFIXタイプ(採光窓・採光ユニットなどと呼ばれることも)があります。FIXタイプには、コンパクトなサイズ、細長いタイプなどが揃い、単体で用いたり、いくつかを組み合わせるプランもいいでしょう。

メーカー商品には、モダンな印象のアルミ材を用いたタイプ、他の室内建材とコーディネートが可能なものも。採光部分は、アクリルなどを使用しているタイプが多く、透明タイプであれば、より開放的に、半透明のタイプであれば、光や気配を感じることができるでしょう。

5.ライフスタイルや成長にあわせて収納家具で区切る

それぞれのスペースを緩やかに分ける。棚と方立を組立てる簡単施工なので、リフォームにも取り入れやすい。[フィットシェルフundefined間仕切りプラン]undefinedDAIKENundefinedhttp://www.daiken.jp/

それぞれのスペースを緩やかに分ける。棚と方立を組立てる簡単施工なので、リフォームにも取り入れやすい。[フィットシェルフ 間仕切りプラン] DAIKEN

子供部屋や寝室などで多くみられるのが、収納家具で仕切るプラン。兄弟姉妹が幼い頃はひとつの空間として使用し、成長したら仕切ってそれぞれのスペースを確保するために用いるケースも多いでしょう。

メーカー商品としては、両面から使用できる棚板やボックスなどを組み合わせるタイプ、スペースに合わせて収納ユニットやパーツを選ぶことができる可動間仕切収納なども揃っています。部屋の壁際に設置することも、中央に置いて部屋を分割することも可能。天井に突っ張るなどして固定し、安全面に配慮した商品もみられます。


空間の使い方は、家族構成やライフスタイルによって異なりますし、仕切る目的もさまざま。「あれば便利だと思って、間仕切扉を設置したけれど、面倒になってあまり開閉しなかった」といった失敗談もよく聞く話です。プランニングの際には、新しい住まいでの暮らし、家族の過ごし方をイメージし、適したプランや建材を取り入れることが大切でしょう。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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