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| 日本で取り壊した住宅の平均築後年数は約30年。アメリカ55年、イギリス77年と比較しても短い。 |
『孫の代まで住める家』—3世代75~90年程度の欧米並みの耐用年数を持つ住宅に対し、税金やローンを優遇するという「長期優良住宅制度」がこの6月4日からスタートしました。
私たち日本人が日々の豊かさを実感できない理由のひとつとして、住宅ローンがあります。日本の住宅が短命のため世代交代ごとに住宅のスクラップ&ビルドを繰り返し、いつまでも住宅ローンの重圧がのしかかります。また、地球環境問題に注目が集まる中、住居から出る産業廃棄物を少しでも減らしたいという考えも根付いてきました。
以上のことからも、これからは「孫の代まで」長持ちする住宅を増やしていく必要性が高まっています。そこで政府が主導し、国を挙げて住まいの長寿化に取り組んだ結果できたのがこの「長期優良住宅制度」なのです。今回はマンションに焦点を絞り、その条件を図解しました。
図解!長期優良住宅の条件(マンション)
このたびスタートした長期優良住宅の条件(マンション)を図にすると以下のようになります。
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| 【図1】長期優良マンションの条件(イメージ)。 |
例えば、長く住むためにはそのうち訪れるであろう大地震にも持ちこたえる
耐震性が必要で、住宅性能評価の「耐震等級(倒壊防止)の等級2」以上、もしくは住宅品確法に定める「免震構造」であることが条件になっています。住宅性能評価の耐震等級(倒壊防止)等級2とは、建築基準法の1.25倍の耐震性で、通常では学校・避難所など公共建築物に適用される強さとなります。
また、数世代(通常の維持管理で少なくとも100年)にわたり構造躯体を使用できるように、鉄骨造の場合は錆びにくい措置、RC造の場合はセメントに対する水の比率を下げることや鉄筋のかぶり厚さを取ることなど、
劣化対策も盛り込まれました。
さらに、構造躯体が長持ちしても、それより寿命の短い給配水管について、日常的な点検や清掃がしやすく、簡単に取り換えられる造りにしておかなければなりません。それが
維持管理の容易性で、専用配管・共用配管ともに住宅性能評価の等級3以上となっています。これは設備配管の点検口や掃除口を適切に設けること、コンクリートに埋め込まないこと、専用部分に立ち入らなくても共用配管のメンテナンスや交換ができることが定められています。
数世代にわたり住まうためにはライフスタイルの変化に合わせて間取り変更が可能な
可変性も必要です。マンションの場合は、配管・配線の変更が容易にできるよう、躯体天井高さが2.65m以上必要であることと定義されました。
また、高齢になっても安心して住み続けられるよう、
高齢者への配慮も盛り込まれました。具体的には車イスでもスムーズにエレベーターが利用できるよう、エレベーターの出入口の幅や車イスが回転できるエレベーターホールスペースなどが条件になっています。
さらに、長く快適に住み、家の傷みを最小限に抑えるためにも高い
省エネルギー性も必須条件です。住宅性能評価の省エネルギー等級「4」(現在の最高等級)が求められます。高断熱・高気密であることはもちろん、窓ガラスもペアガラス以上が基準となるでしょう。
目新しいのは
維持保全計画が盛り込まれたこと。住まいの定期的な点検や補修の計画を立て、少なくとも10年ごとに点検を実施する必要があります。またマンションを供給するデベロッパー側には建物の建築や維持保全の状況に関する記録を作成し、保存することが課せられました。
それでは次のページで、マンションにおける
長期優良住宅のメリットと問題点についてまとめます。