田舎暮らし/田舎暮らし・スローライフ情報

~居住地を決める 田舎暮らし/その決断4

街からあこがれの田舎へ。しかし移住実現までの行程には、「決断」しなければならない事柄がいっぱい。ガイドがオススメする、快適な田舎暮らし実現のためのステップ術。

堀江 康敬

執筆者:堀江 康敬

田舎暮らしガイド

街からあこがれの田舎へ。

しかし移住実現までの行程には、「決断」しなければならない事柄がいっぱい。あこがれと夢だけではなく、周到な計画と勇気ある判断力が重要です。
ガイドがオススメする、快適な田舎暮らし実現のためのステップ術。

今回の決断は「居住地を決める」です。

↓決断シリーズ バックナンバー↓
【第1回】田舎暮らし/その決断1 会社を辞める
【第2回】田舎暮らし/その決断2 妻を説得する
【第3回】田舎暮らし/その決断3 家族(子供・親)を説得する
【第4回】田舎暮らし/その決断4 居住地を決める
【第5回】田舎暮らし/その決断5 続/居住地を決める
【第6回】田舎暮らし/その決断6 準備・手続きをする
【第7回】田舎暮らし/その決断7 田舎に住む
【第8回】田舎暮らし/その決断8 郷に入れば郷に従う
【第9回】田舎暮らし/その決断9 起業・就職する
【第10回】田舎暮らし/その決断10 子供の教育を考える

田舎でどんな暮らしをしたいのか

会社に辞表を出したし、女房も説得したし、子供も親も何とか納得した。ヨシッ、次は土地と住居の確保だ!と、田舎暮らしの夢はついつい暴走しがちです。しかしその前に、移住地や家という「器」のことだけじゃなく、どんな仕事をしてどんな暮しをしたいかという、田舎暮らしのスタイルを明確にしておくことが大切です。

週末を田舎で、仕事は都会で住いは田舎で、仕事も住まいも100%田舎で、リタイア後はゆっくり田舎で等々、暮らしのスタイルは百人百様です。まずは、自分が田舎で何をしたいのかをピックアップしてみること。そうすれば移住の候補地も絞られ、どんな情報が必要かも分かってきます。


情報を収集し体験する

移住したい候補地が見つかったら、インターネット、関連の雑誌、市町村の案内パンフレット等で情報をトコトン集めること。情報が多い程、移住後の「こんなはずでは!」が回避されますね。
また大都市には、都道府県を中心とした相談窓口・事務所や地域のアンテナショップも出店し、特産品の紹介や観光案内、UIJターン等の情報も揃えています。ショップのスタッフと仲良くなって、口コミ情報を手に入れる方法もあります。

候補地の情報が集まったらライブな田舎を体験しに行きましょう。人、風景、生活インフラなど、現実に田舎の空間に入らなければ解らないものがあります。
役場の窓口でUIJターン、貸家、優遇施策などの情報を教えてもらったり、体験施設や農漁村民宿で実際の田舎暮しを経験してみたり、朝市等のイベントに出かけて地元の人の話を聞いてみるのも良い方法です。

ここで重要なのは、候補地の昼・夜・朝を体験できる一泊二日の小旅行。できれば、家族、夫婦といった移住する全員で出かけるのが理想です。それぞれの立場からの意見や夢が出てきます。

それでは、暮らしのスタイル別居住地選びのポイントをどうぞ。


都会も田舎も両方楽しみたい欲張りな人

田舎に暮らしの拠点を持ちながら都市部に通勤し、仕事のスキルと人脈を継続している人。都市の生活拠点はそのままに、週末レジャーのステージとして田舎の家を持つ人。生活も仕事も完全に田舎に移すのではなく、都会と田舎の暮らしの両方を活用している人が多くなっています。

いずれの場合も暮らしにメリハリが付くだけでなく、将来の永住地として移住のための助走期間を経験できるというメリットがあります。しかし都市と田舎を行ったり来たりするこのスタイル。週末の拠点として使う場合は良いとして、無理せず通える距離でないと仕事上の緊急時に対応できず、長期間続けることが難しくなります。

我が家から車で15分程度の所に、新幹線など特急列車の停車駅があること。そこから都市部まで乗車時間が2時間半以内。この程度だったら苦になりません。車内で書類のチェックをしたり、読書をしたり、駅弁を食べたり、仮眠をしたり。この時間が都市と田舎、会社人と私人、オンとオフのスイッチをゆっくりと切り換えてくれます。


リタイア後の田舎暮らしを考えている人

都会暮らしのサラリーマンが、定年退職を機に出身地に帰るなど、農業を始めるケースが目立っています。いわゆる「定年帰農」ですね。なかには近郊の農家と契約し、週末農園で汗を流し地ならしをしている準備万端の人もいます。
相次ぎ定年を迎える団塊世代の里帰り。これに注目して、積極的で呼び戻そうとしている農業県も出てきています。田舎暮らしを考えている50代の人は、こうした自治体を探すことから始めるのも一策かも。

定年後の田舎暮らしの居住先は、今住んでいる家から3時間圏内が目安といわれています。子供や両親、会社の同僚や友人たちが住んでいる都会に、週末には逢いに行ける距離感ですね。

静かな生活のみを求めて、人里離れた山中や荒野のど真ん中などを居住地にするのは考えもの。事故や災害など不意のアクシデントも考慮して、できるだけ地域の集落の中で暮らすことが安心です。また病院まで車で直ぐ駆けつけられる距離にあることも重要です。


田舎でしっかり農業をしたい人

新しく農業を始める人が一番苦労しているのが農地の確保。田舎では空地があっても、見ず知らずの人間に喜んで貸してくれることは少ない。まずは該当する地域の、農業会議所や農業協同組合、市町村役場に相談することから始めましょう。
酪農など畜産業はやっぱり広い土地を利用できる北海道や東北、有機栽培などの産直・宅配業を目指す人は、輸送のインフラが整っていて消費者がいる、都市に近い農村部が有利なようです。

まず「どういう農業をやりたいか」、そして「どんな所で暮らしたいか」をイメージすること。そうすれば新規就農を歓迎している地域に、自分の希望に合う農地があるかどうかを問い合わせることができます。
また、地域によって農作物には様々な特色があります。自分の目指す作物が作れるのかといったことも、居住地を選ぶための重要なポイントになります。

次回は「田舎暮らし・その決断4/居住地を決める」の続編です。フツーの給与生活者を目指す人は、どんな田舎を選べば良いのか・・・
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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