自然環境を舞台に交流や体験を楽しむ余暇活動が人気ですね。都市に暮らす人々には自然への回帰志向があり、山村漁村側には地域おこしニーズがある。双方のかけ橋になるのが、グリーンツーリズムといえます。
テーマパークや物産館といった大規模な開発は行わない、地元の人の取り組みという点が特徴です。あるがままの豊かな自然や文化の体験や住民との交流を通じて、海や山やそこに暮らす人々の魅力を再発見し、本来の人間らしい生活「田舎暮らし」に触れる、そんな旅です。
我が田舎に訪れた人たちが里山を散策したり、マリンスポーツにチャレンジしたり、祭りやイベントに飛び入りしたり、地元住民と飲み交わしたり、そして田舎暮らしの切っ掛けを見つけたり。
これはいいぞ、グリーンツーリズム! 恐れを知らぬ団塊夫婦は、まず推進組織の立ち上げに挑戦したのですが……。
↓ツーリズム設立! 奮戦記 バックナンバー↓・ツーリズム設立! 奮戦記/迷走編(1)・ツーリズム設立! 奮戦記/交渉編(2)・ツーリズム設立! 奮戦記/苦闘編(3)体験民宿、やはり始めにネーミングありき
ツーリズムに必要な諸手続きを完了した私たち夫婦は、体験民宿に変身させるべく我が家のリニューアルに着手することに。しかしその前に、まずはネーミングです。
全く同じネーミングでも、アルファベットで表すか日本語文字で表すかで、与えるイメージが異なります。日本語でも平仮名で表すと柔らかいイメージになり、片仮名であらわすと新しいイメージ、漢字で表すと重厚なイメージになると考えられています。例えば、「FUGA」→「ふうが」→「フーガ」→「風雅」という感じ。
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| 我が家にどんな名前をつけるか |
また、音響感覚に敏感な現代人には、聞いたときに耳障りがよく、口に出した時に言いやすいネーミングであることがポイント。語感は聞いた感じによって、暖かいイメージを受けたり、鋭いイメージを受けたり、男性らしさ、女性らしさ、高級感、親しみやすさなどを感じさせます。
普段の仕事と違ってクライアントは存在しないんですから、もう思いつくままです。自分で考えて自分で決定する。ネーミングの提案者=クライアント。こんなに楽しい作業はありません。以下、団塊世代を意識したネーミングのランダム案。民宿名の頭に「海辺の体験民宿」と付け加えて読んでみてください。
・リセット倶楽部(あの頃をもう一度、人生を問い直す……)
・家出計画(大人の家出、漂泊のススメ……)
・そらうみ(空と海ですね)
・PUKARI(旅路でプカリ、日常を離れてプカリ、海辺でプカリ)
・Drop Anchor(錨“いかり”を下ろす、人生の休息地……)
・焚き火の時間(田舎で火遊びしませんか?)
・海辺にゾッコン(ネーミングらしくないネーミング……)
ガイド「イチオシは、海辺の体験民宿/家出計画! ノスタルジックな少年時代を思い出させるでしょ? 忘れていた冒険心を刺激するというか」
女房「……」
ガイド「anchorって単語も使えるよね。at anchorで停泊しての意味で、働き続けた企業戦士の休息の場といった感じ。up anchorだと出航するで、第二の人生の旅立ちの場かな」
女房「思い入れたっぷりなのは分かるけど、ちょっと意味付けが凝り過ぎかな。ネーミングっていうのは、いちいち説明するものじゃないんでしょ?」
ガイド「……」
1回目のプレゼンテーションは却下。やっぱり、滅多に妥協しないクライアントはいました。すぐ傍に。
ネーミングのテーマを絞り込む
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| テーマは海にするか空にするか |
そして、2回目のプレゼンテーション。
ガイド「我が家の魅力はやっぱり、目の前のロケーションだよね。海のブルーや空の青をテーマにしたらどうだろう」
女房「おっ、いいな。さすが元グラフィックデザイナー。色できましたか」
ガイド「まだ、現役のつもりなんですが……。“あお”にも色々あるよ。漢字で書けば青、蒼、碧。藍で染めた色も含めるなら、薄い順に浅葱、縹(はなだ)、藍、紺。紫がかった群青色なんかも語感が好きだな」
女房「ジャパネスク路線かぁ。カタカナではどんな表現?」
ガイド「海そのもののマリンブルー、緑がかったターコイズブルー、強烈なセルリアンブルー、晴れた大空のスカイブルー、ミステリアスにいくならミッドナイトブルー」
女房「ブルー、いいなぁ。口に出した時に色彩が浮かんでくるし、我が家のテーマカラーにもピッタリ」
路線が見えてきました。気分を良くした亭主は、以下のネーミングを提案。
・Jazzy Blue(ジャズ(風)の、華やかなブルー)
・Swinging Blue(気ままな、軽快なブルー)
・Drifting Blue(漂流するブルー)
・Jiggy Blue(格好いい、スタイリッシュなブルー)
女房「ジャージー、スウィンギング、ドリフィティング……。形容詞がちょっと気取り過ぎて、田舎暮らしのイメージが弱い感じ」
ガイド「我が家に泊まって、こんな風に過ごして欲しい、こんな時間を提供できますって意味合いを含めてなんだけど」
女房「もっと普段着の言葉の方がいいんじゃない? 田舎の時間をゆったりゆっくりとか、のびのびする、くつろいでもらうとか」
ガイド「オッと、それいただき!
リラクシング・ブルー。旅人の身体と心を寛がせる宿、
Relaxing Blue」
女房「ジョウデキ!」
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