不動産売買の法制度

更新日:2002年09月05日

No.22 媒介契約の種類と問題点

住宅を売却するときに不動産業者との間で交わす媒介契約の種類と、それぞれの問題点について説明します。


住まいの買い替えのとき、または単に売却するだけのときでも、売却活動を始める前に通常は不動産業者との間で媒介契約を締結します。今回はこの媒介契約の種類と問題点を見ていきましょう。


一般媒介契約

売主は、複数の不動産業者に売却を依頼することができます。このとき、他にどの業者へ依頼したのかを明らかにする 「明示型」 と、どこへ依頼したのかを言わなくてもよい 「非明示型」 との2種類があります。

一見、売却の窓口が広がって売りやすそうにも思えますが、依頼を受けた業者には、売却活動に関する何の義務も責任もなく (信義上の責任は別として) 、他の業者で決まれば全く利益にならないため、広告経費なども使いにくいという状況になります。実際のところ、依頼を受けても何もしない業者もあります。


専任媒介契約

一般媒介と異なり、依頼できるのは1社のみです。依頼を受けた不動産業者は、7日以内に 「指定流通機構」 へ登録するとともに、2週間に1回以上、業務処理状況を 「文書にて」 売主へ報告しなければなりません。

専任媒介契約の場合、売主は、自ら見付けた相手方とならば、依頼した業者を通さずに売買契約を行なうことができます。つまり、自分の知人や親族、あるいはその紹介を受けた人との間であれば、業者を外して売買契約が可能。

ところがその規定を逆手にとって、他の業者から紹介されたお客様と契約をしてしまう売主も残念ながらいます。いわゆる 「抜き」 ですが、こうなると当初依頼を受けた業者が売主から騙される結果に。そのため、売主との間で信頼関係ができていないと、売却活動に集中できないこともあります。


専属専任媒介契約

専任媒介契約よりも不動産業者の義務が重くなり、 「指定流通機構」 への登録は5日以内、文書での業務処理状況報告は1週間に1回以上となります。

その代わり、売主は、自ら見付けた相手方であっても必ず依頼した業者を通じてしか売買契約ができません。逆に言えば、依頼を受けた業者はどのような形であれ、売買が成立すれば報酬を得られるため、自ずと売却活動にも力が入ります。



どのような媒介契約にするかは、売主であるお客様の自由ですが、いずれの場合であっても、信頼できる不動産業者へ依頼することはもちろん、互いの信頼関係を損ねることのないようにしなければなりません。

以前、それぞれの業者に黙って 「専任媒介契約」 を3社に出していた売主がいましたが、必ず発覚しますから何のメリットもありません。そればかりか、業者間の情報の混乱を招いて、結局は売主が損をすることになりかねませんね。



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平野 雅之

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